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ジェンダー平等 問われる各党の推進姿勢

 参院選の論戦では埋没しがちだが、ジェンダー平等の実現をどう進めていくかは重要な争点である。

 世界経済フォーラムが昨年公表した男女格差を測る「ジェンダー・ギャップ指数」で日本は156カ国中120位だった。先進7カ国(G7)では最下位だ。国会議員や企業の管理職に占める女性の少なさが影響し、長年にわたって低位が定着している。

 意思決定の場に女性が少なければ、さまざまな政策や制度に女性のニーズが反映されない。旧態依然とした性別役割分担意識の解消が進んでいないことも、社会の閉塞(へいそく)感につながっている。

 まず問われるのは政党自身の取り組みだろう。先進国の中で低水準にある国会議員の女性比率を高めるため、政党に候補者数を男女均等にするよう求める「政治分野の男女共同参画推進法」が施行されて4年余りがたつ。

 今回の参院選では過去最多の181人の女性が立候補し、全候補者に占める女性の割合が国政選挙で初めて3割を超えた。ただ、女性比率は政党ごとの開きが大きい。野党では立憲民主党51・0%、共産党55・2%と半数を超えた政党がある一方、与党は自民党23・2%、公明党20・8%にとどまった。

 与党は選挙区に現職男性が多いという事情があるものの、党が主導する比例代表の対応が不十分だ。自助努力で改善しないなら、一定比率を女性に割り当てる「クオータ制」導入など、より積極的な対策が必要になろう。

 主要政党でジェンダー平等を進める方向自体に大きな違いはないが、主張が分かれるのが選択的夫婦別姓制度だ。立民、共産、国民民主、れいわ新選組、社民の各党は公約に「実現」や「導入」を掲げる。公明も「導入を推進」とする。日本維新の会は、旧姓使用に法的効力を与える制度の創設を主張する。

 一方、自民は参院選の政策集に「氏を改めることによる不利益に関する国民の声や時代の変化を受け止め、その不利益をさらに解消する」としたが、具体策には踏み込んでいない。自民内では昨年春、推進派、慎重派がそれぞれ議員連盟を発足させるなど意見が分かれている。

 LGBTなど性的少数者への対応についても他党に比べ、自民の消極的な姿勢が目立つ。昨年、理解増進を図る法案に与野党がいったんは合意したものの、自民内から強硬な反対意見が出て、国会提出が見送られた経緯がある。同性同士の結婚を認める同性婚については、自民以外の主要政党は必要な法整備に前向きな姿勢を示している。

 国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)は「誰一人取り残さない」ことを原則に17の目標を掲げており、その一つがジェンダー平等の実現だ。これに日本の政治がどう応えるのか。有権者は各党の姿勢を見定めたい。

(2022年07月02日 08時00分 更新)

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