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名刀工・逸見東洋 最後の作品公開 「大太刀 銘 義隆」 倉敷で特別展

特別公開されている逸見東洋の「大太刀 銘 義隆」
特別公開されている逸見東洋の「大太刀 銘 義隆」
刀身に施された精巧な竜の彫刻
刀身に施された精巧な竜の彫刻
 「明治正宗」の異名を取った岡山市出身の名刀工・逸見東洋(1846~1920年)の最後の作品「大太刀 銘 義隆(よしたか)」(岡山県重要文化財)の特別公開展が29日、倉敷市中央の「きび美ミュージアム」で始まった。東洋の作品が迫力ある光を放ち、来館者を魅了している。

 大太刀は羽黒神社(同市玉島中央町)が所蔵する原則非公開の秘宝で、全長152・7センチ、重さ3・5キロ。刀身の表には珠(たま)を追う2匹の竜、裏側には古事記の詞(ことば)が精巧に彫られている。鍛刀(たんとう)、研ぎ、彫刻、鞘(さや)の制作まで東洋が一人で手掛け、1871(明治4)年に同神社に奉納した。

 東洋は江戸末期、岡山市の旧下之町(現・北区表町)に生まれ、京都で鍛刀技法を学んだ。技量の高さから鎌倉時代の名工・正宗にちなんで「明治正宗」と称されたが、76年の廃刀令を受け刀工は廃業。その後は木彫や漆工などに才能を発揮した。

 同ミュージアムの臼井洋輔館長は「廃刀令を前になんとか自分の作品を残そうとした東洋の熱い思いが伝わる。刀剣の歴史や現代技術へのつながりも感じてもらいたい」と話している。

 展示は7~9月に県内で展開される大型観光企画「岡山デスティネーションキャンペーン」の一環で企画された。7月10日午前11時と午後1時半から臼井館長による展示解説がある(予約不要、要入館料)。

 9月25日まで。午前10時~午後6時。月、火曜休館(祝日の場合は振り替え)。一般700円、中高生500円、小学生300円。問い合わせは同ミュージアム(086―425―8080)。

(2022年06月29日 18時21分 更新)

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