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「まだ食べられる」処分品が好評 岡山で取扱店増、食品ロス削減も

賞味期限を明記して陳列する「ecoeat岡山北店」
賞味期限を明記して陳列する「ecoeat岡山北店」
処分品の取り扱いを始めて顧客が増えたという「ふくじゅう」
処分品の取り扱いを始めて顧客が増えたという「ふくじゅう」
袋詰めされた売れ残りのパンが並ぶ「PUBLIC」の販売コーナー=森のマルシェ柳川店
袋詰めされた売れ残りのパンが並ぶ「PUBLIC」の販売コーナー=森のマルシェ柳川店
 合言葉は「まだ食べられる」―。賞味期限切れや在庫処分で廃棄予定だった食品を扱う店が岡山市内で増えている。原材料や原油価格の高騰で食品が値上がりする中、消費者にとっては格安で商品が手に入るとあって売れ行きは好調。食品ロスの削減や新たな客の獲得にもつながっている。

 6月中旬の「ecoeat(エコイート)岡山北店」(同市北区谷万成)。棚に並ぶ菓子の賞味期限は2カ月以上前の「2022年4月2日」と明記されていた。価格は通常の半額以下。運営するイートミー(同所)の青木誠弥社長(27)は「消費期限切れと違って、品質を確認しきちんと保管すれば食品衛生上は問題ない」と強調する。

 エコイートはNPO法人・日本もったいない食品センター(大阪市)が展開。西日本を中心に17店あり岡山北店は4月にオープンした。

 扱うのは賞味期限やパッケージの更新を理由に廃棄対象となったカップ麺や駄菓子、ジュース、ゼリーなど。店頭には県内外の食品メーカーや卸・小売業者から仕入れた300種類約2万点が陳列されている。

 オープンから3カ月近く。「最近の物価高もあって幅広い客層が来店している」と青木社長。食品の処分に困っている県内業者との取引をさらに広げたい考えだ。

 市内ではほかに、岡山大鹿田、津島の両キャンパス近くに昨年12月と今年6月、同様の店がそれぞれオープンした。新規出店が相次ぐ中、20年1月から処分品を販売することで新たな効果が生まれた店もある。

 就労継続支援A型事業所「ふくじゅう」(岡山市中区沢田)だ。もともと漬物専門店だったが、業者の依頼でワケありのレトルト食品や缶詰、パスタ、ドレッシングなどを置いたところ、商品目当てに若者や地域住民が訪れ、漬物のファンになった人もいるという。

 サービス管理責任者の原淵景子さん(37)は「事業所利用者がレジ打ちや陳列を担当しており、地域の人たちとつながる大きなきっかけになった」と話す。

 パン店の「PUBLIC(パブリック)」(同市北区錦町)は、売れ残ったパンを近くのスーパーに持ち込む取り組みを4月から始めた。

 平日午後3時に店を閉めた後、4、5個ずつ袋詰めにし「森のマルシェ柳川店」(同中山下)で月、木、金曜日に割安で販売。毎回20セット前後が売り切れるという。

 食品ロス削減の一環で、7月以降は場所を変えるとともに、他のパン店と連携し一緒に販売できるよう準備を進めている。

 オーナーの打谷直樹さん(42)は「岡山のまちでロスを減らす仕組みをつくり、同じ悩みを抱えるパン店のロールモデルを目指したい」と意気込む。

(2022年06月27日 18時01分 更新)

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