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参院選岡山選挙区 候補者に聞く 高野氏、住寄氏、小野田氏、黒田氏、山本氏(届け出順)

参院選岡山選挙区 候補者に聞く 高野氏、住寄氏、小野田氏、黒田氏、山本氏(届け出順)
高野由里子氏
高野由里子氏
住寄聡美氏
住寄聡美氏
小野田紀美氏
小野田紀美氏
黒田晋氏
黒田晋氏
山本貴平氏
山本貴平氏
 7月10日の投票に向け、与野党の攻防が激しさを増す参院選。岸田文雄政権への評価を最大の争点に、新型コロナウイルス対応や物価高対策、憲法改正などを巡り、各候補がしのぎを削っている。岡山選挙区(改選数1)に立候補している5人の主張を横顔とともに紹介する。(届け出順)


高野由里子氏(諸派・新)


 ―選挙戦で何を重点的に訴えるか。

 食料自給率の向上だ。日本の自給率(2020年度、カロリーベース)は37%と輸入依存度が高い上、ウクライナ危機などの影響で飼料・肥料は今後輸入できない可能性もあり、さらなる低下が危惧される。日本が生き残るには食料を自国で賄う体制づくりが必要だ。米消費の喚起や農家支援も進めたい。

 ―不登校問題の対策拡充も掲げる。

 小中学生の不登校は年々増加する一方、受け皿の一つとなる民間のフリースクールは不足している。私の次男は小学生の時、不登校になった。受け入れてもらえる施設を探したが、場所や定員がネックとなって引っ越しをせざるを得なかった経験がある。家賃や教材費を補助し、利用しやすい環境を整えたい。フリースクールで学校の卒業資格を認める法改正も目指す。

 ―新型コロナウイルス対策は。

 政府が進めるワクチンの接種は一部で重い副反応に苦しむ人がいる上、長期的な影響が分からないため特に子どもへの接種には反対だ。イベント参加や旅行の割引などで必要とされるワクチンの接種証明は、接種の強制になりかねないのでやめるべきだ。

 ―憲法改正についてどう考えるか。

 憲法を一からつくる自主憲法の制定を目指す。現憲法は戦後に連合国軍総司令部(GHQ)の草案を基につくられており、日本の文化や伝統が反映されていない。具体案については選挙後に党で協議していく。

 ―政治団体「参政党」のコンセプトは。

 既存政党の政策に共感できず、何とかしたいとの思いを持つ有志が集まった。しがらみや利権にとらわれず、間違いをはっきりと指摘していきたい。

横顔
 中国新疆ウイグル自治区での人権侵害に対して危機感を抱いたことが、政治に興味を持ったきっかけという。たまたまユーチューブで参政党が目に留まり、2021年に入党。2児の母で主婦業もおろそかにしたくないと、選挙中も兵庫県尼崎市の自宅から岡山に通う。趣味はカフェ巡り。京都市出身。京都府立洛北高卒。46歳。


住寄 聡美氏(共産党・新)


 ―選挙戦で訴えたいことは。

 ロシアによるウクライナ侵略に乗じて「戦争する国づくり」を進める改憲勢力にストップをかける。米国の核兵器を国内に配備し、共同運用する「核共有」は絶対に許せない。ロシアに対しては蛮行をやめて国連憲章を守るよう国際世論を広げ、憲法9条を生かした平和外交を推進する。

 ―ウクライナ危機に伴って物価が高騰している。

 国民全体に効果が出やすい消費税減税が何より有効な対策だろう。いずれは消費税自体を廃止すべきだと考えるが、まずは5%にする。大学生らの学費を半額にするなどして若い世代の生活を支えることも強調したい。

 ―新型コロナウイルス対策は。

 検査の体制を拡充し、誰でも無料で受けられるようにする。政府がこれまで地域医療構想として公立・公的病院の統廃合や病床削減を進めてきたために、感染拡大時に医療逼迫(ひっぱく)を招いた。医療体制を強化する方向に転換すべきだ。

 ―教員出身として、教育現場の課題をどう見るか。

 全国学力テストの成績を重視する教育課程になり、教員はひたすら点数を上げることに縛られている。書類作成などの仕事が増えるばかりで、子どもに向き合う時間が減り、学校行事はどんどん少なくなっている。子ども一人一人に寄り添える教育が求められる。

 ―2019年の前回、一度は岡山選挙区に立候補を表明したが、その後に取り下げた。

 政権打倒を願う市民の思いを踏まえ、前回は政策が一致した他の野党との調整で不出馬とした。今回、岡山選挙区で市民の思いを代弁できる立場にあるのは私しかいない。他の候補者を気にせず、独自に支持を広げたい。

横顔
 父は共産党の元倉敷市議。大学時代の2003年に衆院選岡山4区に出馬した共産候補の遊説のボランティアに参加したことを機に入党を決意した。教員一家に育ち、自身も11年間小学校で教壇に立った。マイブームは韓国の人気男性音楽グループ「BTS」で、ダンス動画が元気の源という。倉敷市出身。島根大教育卒。39歳。


小野田紀美氏(自民党・現)


 ―選挙戦で何を訴えていくのか。

 県内には多様な課題があり、農業一つ取っても米価下落や飼料高騰とさまざまだ。地域や年代によっても課題は異なる。何か一つに訴えを絞るのではなく、幅広く目を配っていきたい。

 ―新型コロナウイルス禍への対応は。

 死亡率や重症化率は下がっており、社会経済活動をどう動かすか議論すべきだ。学校では子どもが(マスクを着けた)同級生の顔を覚えられないまま卒業し、地域では伝統行事がなくなっていくことも懸念される。感染症法の分類で季節性インフルエンザと同じ危険度の「5類」に変更するなど政治の決断が必要だろう。

 ―自衛隊明記を含む憲法改正の早期実現が党公約に掲げられた。

 力による現状変更をいとわないロシアや核開発を続ける北朝鮮に囲まれ、わが国をどうやって守っていくかは大きな課題。何も起こさないための外交努力に加え、有事の準備を進めていく。国防で自衛隊がまっとうに活動できる環境を整えることは、政権与党としての責任だ。

 ―地方の人口減少が加速している。

 人口が減っても地域が機能する仕組みをつくる。政府の地域活性化策「デジタル田園都市国家構想」を進め、デジタル技術を活用した遠隔医療などで地方の不便を解消したい。そのために高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムの整備などをしっかりやる。

 ―1期目の6年間を振り返ってどうか。

 地域を回ってさまざまな人と会い、取り組むべき課題が見えてきたところ。同時に背負う責任もどんどん増えているが、ギブアップするわけにはいかない。自分がやらないといけないとの思いが日に日に強くなっている。

横顔
 幼い頃、特撮やアニメに夢中になり「困っている人を助けるヒーローになりたい」と思ったことが政治を志した原点。米国人の父と日本人の母の間に生まれ、瀬戸内市で育った。高校卒業後に上京。東京都北区議だった2015年に党県連の公募で選ばれ、翌年初当選した。趣味はゲームや漫画を楽しむこと。拓殖大政経卒。39歳。


黒田 晋氏(無所属・新)


 ―選挙戦で訴えたいことは。

 地方創生だ。国が主導した「平成の大合併」で財源が地方に移譲され、さまざまな権限や決定権が地方に委ねられると期待されたが、中央集権の枠組みは変わらず、財源も霞が関が握り続けている。地方に活力が生まれるよう制度を変えたい。

 ―具体的には。

 公共交通の維持を「一丁目一番地」に据えたい。車がなかったら通勤通学や通院ができない社会はおかしい。JRローカル線の存廃問題が浮上しているが、廃線になれば不便になって地域を離れる人が増えるだろう。国が積極的に関与し、民間は運行のみを引き受ける「公設民託」方式を導入すべきだ。

 ―地域医療の拡充も重点施策に掲げる。

 「医師の偏在」が指摘される中、安定的な医療提供体制が求められている。岡山は県南部を中心に名だたる急性期病院があるが、患者が地元に戻ったときに医師会や診療所がタッグを組んでケアする体制が必要であり、その構築を進める。

 ―立憲民主、国民民主両党から推薦を受けている。

 現職は自民党公認候補。私一人ではとても勝てず、応援団は多い方が良いと考えて推薦をいただいたが、地方創生を願う人たちが結集したグループで戦いたいとの思いから無所属で挑む。政党に属さないため戦いの構図が分かりにくいかもしれないが、街頭演説などで訴えを届けることで判断してもらう。

 ―玉野市長から国政への転身を目指す。

 市長時代、国に現場の声が届いていないとの思いをずっと持っていた。痛みを伴う改革をもっとやらないと国民と永田町の距離は離れるばかりだ。4期16年間の市長経験を生かし、政策や政治を変えていきたい。

横顔
 小学校の卒業文集に将来の夢を「国会議員になりたい」と書いていたという。農水相を務めた故加藤六月衆院議員の秘書、玉野市議を経て2005年から4期16年にわたって玉野市長を務めた。釣りが趣味で、50センチを超えるマダイを釣り上げたことも。「一期一会」を座右の銘としている。玉野市出身。専修大法卒。58歳。


山本 貴平氏(NHK党・新)


 ―選挙戦で掲げる政策は。

 NHKの受信料制度について、見たい人だけが支払って視聴するスクランブル放送化の導入実現を訴えていく。現行の制度は番組を見ていないのに支払ったり、見ているのに支払っていなかったりと公平性を欠いている。スクランブル放送にすれば解約する人も出ると思うが、それを防ぐためにNHKが受信料を引き下げることも期待できる。

 ―党公約で外交・安全保障の拡充を掲げている。

 ロシアや中国など核保有国が軍備の増強を進め、日本に対してプレッシャーをかけてきている。万が一に備えてミサイル防衛を強化する必要があるし、自衛隊もゆくゆくは国防軍を目指した方がいい。一人でも多くの国民が「自分の国は自分で守る」との意識を持てるようにしたい。

 ―新型コロナウイルスへの対応はどう考えるか。

 感染防止に対する施策や考えは特に持ち合わせていない。ただ、「ウィズコロナ」の経済対策で言えば、鉄道や船といった公共交通を使う国内旅行の需要喚起などよって内需拡大を目指すべきだ。インバウンド(訪日客)は感染拡大を招きかねないことなどから、早急に促していくべきではない。

 ―公示直前に立候補を表明した。

 国政選挙の出馬に関しては党が主導して決める。岡山選挙区は当初、別の候補者が予定されていたが、急きょ取りやめになり、私が出ることになったという経緯だ。

 ―どういった選挙活動を展開するのか。

 東京で党職員としての通常業務があるため、選挙区での街頭演説や遊説はできない。SNS(交流サイト)を使って自分の考えを発信していく。

横顔
 高校卒業後、運送会社の運転手などを経て党コールセンター職員として働く。動画投稿サイト・ユーチューブで立花孝志党首の配信を見て、感銘を受けたことが入党のきっかけという。好きな言葉は「誠実」。趣味は散歩で「会社の行き帰りに遠回りをして古い建築物などを見ている」。東京都荒川区出身。都立江北高卒。47歳。

(2022年06月25日 07時31分 更新)

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