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井倉洞集客 インスタグラム活用を 学生視点で多様な観光コース提案

杉社長(左)の案内で鍾乳洞を見学する新見公立大の学生=19日
杉社長(左)の案内で鍾乳洞を見学する新見公立大の学生=19日
井倉洞の魅力アップや効果的な情報発信のアイデアを出す岡山大の学生ら=9日
井倉洞の魅力アップや効果的な情報発信のアイデアを出す岡山大の学生ら=9日
 「旅行先も飲食店も、若者はインスタを見て行き先を決める」

 新見市を代表する観光名所の一つ「井倉洞」の運営会社は今月、まちづくりに関心がある新見公立大(同市)と岡山大(岡山市)の学生を相次いで招き、集客に向けたアイデアを求めた。

 周辺にある夕日や雲海のスポットと組み合わせた観光コースの設定、近場の飲食店を記した散策マップの作成など、思い思いの考えを披露した学生たち。共通して指摘したのは、現代版の“口コミ”ともいえるインスタグラム(写真共有アプリ)の活用だった。

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 今月19日、新見市の観光名所「井倉洞」や周辺の土産物店などを巡った新見公立大の学生3人が、井倉洞運営会社の杉一夫社長(67)と机を囲み、誘客に向けた意見を交わした。

 「鍾乳洞はもっとライトアップできないか」「記念撮影用にスマホスタンドを設置しては」…次々と提案されるアイデアの中で印象に残ったのが、周辺の立ち寄り先も盛り込んだ「カップル」「家族連れ」「若い女性グループ」ら来場者の属性に応じた観光コースの設定だ。

 その理由を問われた学生の説明では、若者はコース上の見どころを写してインスタグラム(写真共有アプリ)へ大量に投稿するケースが多い。それらの写真に付けられた「#デート」「#子ども向け」「#女子旅」といったハッシュタグ(#)を目印に検索した人たちが井倉洞を知り、足を向けるきっかけになるからだという。

 新たな誘客策を模索する運営会社。1970年代後半に年間20万人を超えた観光客は、社員旅行の減少やレジャーの多様化などで減少し、近年では西日本豪雨(2018年)と新型コロナウイルス禍が追い打ちをかける。昨年度の来場者は3万5千人台にまで落ち込んでいる。

 再興を目指す中で企画したのが、意見交換会。新見公立大と岡山大の学生をそれぞれ招き、若者の視点を借りて魅力アップと効果的な情報発信のヒントを探るのが狙いだ。

 今月9日に訪れた岡山大の学生4人は、井倉洞がある草間台地にも出向いた。高さ約40メートルの石灰岩アーチが有名な羅生門(国天然記念物)、今秋にリニューアルオープンされるコテージの宿泊施設、夕焼けや雲海などが一望できる展望台などを見学。地元特産のソバやピオーネの収穫時期に合わせ、イベントも盛んに開かれていることを知った。

 意見交換では「草間台地には鍾乳洞だけではなく、知らなくて損したと思うぐらい見どころがたくさんあった」「スタンプラリー形式で各所を回ると、割引を受けられる仕組みは」などと発言。さらに、ここでも「周りの友人は皆、インスタをしている。井倉洞と周辺で楽しめることを初心者、リピーター向けのコースとして紹介しては」と伝えた。

 両大の学生との意見交換を終え、杉社長は「SNS(交流サイト)を活用したPRは欠かせないと思っていたが、インスタがここまで浸透しているとは。情報発信の仕方を変えていきたい」と話していた。今後、大学生のアイデアを踏まえた上で新たな集客策などを検討するという。

 学生の井倉洞訪問は、山陽新聞社が地域の方々と連携して課題解決や魅力の創出を図る「吉備の環(わ)アクション」の一環で企画した。

(2022年06月20日 20時00分 更新)

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