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ときめき夢テント・木下大サーカス岡山公演(3)七丁椅子 自分の“色”加え伝統進化


 120年の歴史を誇る木下サーカスは新しい技だけでなく伝統芸も守っている。「七丁椅子」がその一つだ。創業者・木下唯助(1882~1962年)の時代に既に演じられていた。
伝統芸の「七丁椅子」。一時途絶えていたのを復活させた
伝統芸の「七丁椅子」。一時途絶えていたのを復活させた

 七丁椅子は木製の椅子をブロックのように積み重ね、頂上で倒立するバランス芸。2脚ごとに演じ手は倒立などし、最終的には7脚まで積み上げる。台座を含めた高さは約10メートル。一番上の2脚はあえて斜めにするなど不規則に積む。ちょっとでも揺れると椅子が崩れてしまいそうで、目がくぎ付けになる。

 戦後しばらく行われていた七丁椅子は、新たな演目を導入する中で一時途絶えていた時期がある。90年代、過去の公演映像を偶然見た団員たちが感動し、倉庫に眠っていた専用の椅子を引っ張り出して練習を始めた。今ではなくてはならない演目の一つだ。

 現在の演じ手3人のうち最も若手の今村翔さん(28)は約2年前に始めた。「ショーの前半で観客の心をつかむ重要な演技」とやりがいを感じる一方で、かつて演技の途中で落下し、けがをした経験もある。「今もその時の恐怖がよみがえることがある。演技中は周りの音が全く聞こえないくらい集中して振り払っている」

 4歳から体操に打ち込み、高校ではインターハイに出場した経験もある今村さんは演技に体操種目も取り入れる。椅子の上で体を起こして両脚をまっすぐ前に突き出し、L字のようになる「脚前挙」という技を決めてから倒立にもっていく。「観客から拍手をいただくうちに自分の“色”も加えたくなった」。伝統を受け継ぎ、進化させている。

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 「木下大サーカス岡山公演」(山陽新聞社主催)は26日~9月7日、岡山市北区北長瀬表町の岡山ドーム東隣特設会場で開かれる。前売り券は大人3千円(当日券3500円)、3歳~高校生2千円(同2500円)など。問い合わせは木下大サーカス岡山公演事務局(086―241―0045)。

(2022年06月19日 19時34分 更新)

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