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市販貝類から微小プラ検出 岡山大グループ、洗濯で流出か

アサリから検出された糸くず(左)とマイクロプラスチック
アサリから検出された糸くず(左)とマイクロプラスチック
検出された糸くずやプラスチック片の数
検出された糸くずやプラスチック片の数
難波正義・岡山大名誉教授
難波正義・岡山大名誉教授
 スーパーで市販されている貝類に、洗濯の際などに流れ出たとみられる合成繊維の糸くずや、マイクロプラスチックなどの微小なプラスチック類が含まれていることを、難波正義・岡山大名誉教授ら同大のグループが確認した。貝とともに人が恒常的に摂取していると考えられ、プラスチックによる海洋汚染の懸念が身近に迫っていることをうかがわせる。

 プラスチックが人体に及ぼす影響の一環として、岡山市のスーパーで買い求めたカキ、アサリ、ハマグリ、シジミの4種類を調べた。これら貝類の身をタンパク質消化酵素と強アルカリで処理して有機物を溶かし、残った中から糸くずやマイクロプラスチック(直径5ミリ以下)を顕微鏡で検出した。

 一つの個体から平均で糸くずが2・5~0・5個、マイクロプラスチックが2・8~1・6個見つかった。

 糸くずは、ナイロンなどの合成繊維からできているプラスチック由来だった。繊維状の微細なプラスチックが海中にあることは海外の研究などで明らかになっている。衣類を洗濯機で洗った際などに剥がれて水中に流出して排水を経て海に至るほか、漁網からも貝類に入ったのではないかとみられるという。

 ペットボトルやレジ袋などのプラスチックごみは川などを経て海に流出して紫外線などで劣化し微細なマイクロプラスチックになる。有害物質を吸収する性質があり、世界的に環境汚染が懸念されている。プラスチックの糸くずも貝類から同程度の数が見つかったことで、繊維による汚染も深刻な状況にあることが推測される。

 貝類の産地は、岡山、熊本、愛知県、中国とまちまち。熊本県産アサリは産地偽装による不確定要素があるものの、広範囲にプラスチック海洋汚染が進んでいる可能性がうかがえる。

 世界的に人の便にマイクロプラスチックが含まれているのが確認され、魚介類を食べて体内に入ることが指摘されている。今回、われわれの日常生活の中での具体的なルートが確認された格好だ。

 難波名誉教授は「人体にどのような影響があるかは今のところ分からないが、暮らしの中でのプラスチック使用をできるだけ減らすことが求められる」としている。

「貝類からプラ」研究、14日シンポで発表


 この研究について、14日午後2時から山陽新聞社さん太ホール(岡山市北区柳町)で開かれるシンポジウム「みんなに優しいファッション」で発表される。聴講の問い合わせは、同社NIE推進部(086―803―8075=平日午前10時~午後6時)。

(2022年05月11日 19時24分 更新)

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