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遠隔勤務に使えるサテライトオフ…

 遠隔勤務に使えるサテライトオフィスが津山市中心部にできた、と過日、本紙が伝えていた。安全のため入室に顔認証機能などを導入しているという▼画像から顔の特徴をつかみ、個人を識別する「顔認証」技術が日常の場に広がり始めて久しい。イベント会場などへの入場や決済に加え、新型コロナウイルスワクチンの接種を証明できるケースも出てきた▼便利ではある。ただ、知らないうちにプライバシーを侵されるリスクもある。警戒感の高まりを受け、近年は警察などへ顔認証システムを提供するIT企業にも厳しい目が向けられている▼オーストラリア当局は昨秋、米ベンチャーのクリアビューAIに対し、自国民の顔画像をSNS(交流サイト)などから同意なしに大量収集したのは違法だとして削除命令を出した。同社の顔データは100億点を超すそうだ▼そして目下のお得意さまはウクライナ国防省―。こちらは米紙が先日報じた。記事によると、戦場でロシア兵の遺体の顔を撮影してデータと照合。身元を特定したら、ひも付いた情報から家族を割り出し、訃報を送り付ける。亡きがらの写真を添えて▼顔認証を武器にロシア国内での反戦機運を高める「心理戦」とされるが、こんな“活用法”もあったとは。科学の進歩は、使う人間の身の丈に合っているのかと身震いがする。

(2022年04月23日 08時00分 更新)

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