山陽新聞デジタル|さんデジ

別姓婚 日本も有効?婚姻届再提出 瀬戸内の夫妻 戸籍に記載求め近く

婚姻届の提出について話し合う想田さん(左)と柏木さん夫妻=瀬戸内市
婚姻届の提出について話し合う想田さん(左)と柏木さん夫妻=瀬戸内市
 海外で別姓のまま結婚した婚姻関係が日本でも有効に成立しているかどうか初めて争った裁判の原告で映画監督の想田和弘さん(51)と映画プロデューサーの柏木規与子さん夫妻=瀬戸内市在住=が近く、戸籍への記載を求め、改めて婚姻届を役所に提出する。東京地裁が昨年4月、判決で婚姻関係を認めた一方、戸籍への記載は具体的な判断をしないまま請求を退けたためで、生活上の不利益の解消を図るとともに「国会などで停滞する選択的夫婦別姓制度の議論を前に進める契機にしたい」と話している。

 米ニューヨーク州で別姓を選択して結婚した夫妻は2018年、東京都千代田区に別姓で婚姻届を出したが受理されず、東京地裁に婚姻関係の確認を求めて提訴。地裁は婚姻関係を認めたが、戸籍への記載は「戸籍法に基づき、家裁に不服を申し立てる方が適切」として門前払いした。判決確定後も婚姻関係を戸籍上証明できず、夫妻どちらかが急な事故や病気に見舞われても、もう一方が成年後見人になれないなど不利益が生じる恐れがあるという。

 婚姻届は、どの自治体に出してもよいことなどから、夫妻は東京都内の役所に5月末までをめどに提出する計画。受理されなければ、東京家裁に不服申し立てを行う。

 東京地裁の訴訟で代理人を務めた竹下博将弁護士(第二東京弁護士会)は「地裁が婚姻関係を認めている以上、役所が応じなくても、家裁が受理を命じる可能性は十分にある」と予想。「そうなれば、裁判所で婚姻関係が認められながら戸籍に記載できていないという不合理な状態の解消につながる」と説明する。

 夫婦別姓を巡っては、別姓を認めない民法や戸籍法の規定は違憲だとして、広島県と東京都の事実婚の男女7人が国に損害賠償を求めた2件の訴訟で、最高裁が3月下旬、原告側の上告を退け、請求を棄却した一、二審判決が確定している。

 想田さんと柏木さん夫妻は「結婚した場所が日本か、別姓を認める海外かに関係なく、別姓を選んだカップルの婚姻関係が社会制度上認められるようにするのが私たちの目標。その道を開くための一歩にしたい」と話している。

(2022年04月21日 05時00分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ