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沿線自治体、維持求める声相次ぐ JR姫新、芸備、因美6区間

沿線自治体、維持求める声相次ぐ JR姫新、芸備、因美6区間
利用が低迷する芸備線。今後の運営に関する協議に注目が集まりそうだ=8日、新見市哲西町上神代
利用が低迷する芸備線。今後の運営に関する協議に注目が集まりそうだ=8日、新見市哲西町上神代
 JR西日本は11日、利用者が少ないローカル線の収支を初めて公表した。岡山支社の運行エリア(岡山県、広島県東部など)の3路線6区間を含む1日の平均乗客数(輸送密度)2千人未満の17路線30区間が対象となり、本業のもうけを示す営業損益は2017~19年度平均で全区間が赤字だった。

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 JR西日本が初めて行った採算が厳しいローカル線の収支公表のうち、岡山支社管内(岡山県、広島県東部など)では、主に中山間地を走る姫新、芸備、因美の3路線6区間が対象となった。岡山県内の沿線自治体からは「鉄道は住民の生活に欠かせない。何とか路線維持を」との声が相次いだ。

 芸備、姫新の2路線が走る新見市。芸備線に関しては昨年8月、JR西や関係自治体と利用促進に向けた検討会議を立ち上げ、話し合いを進めている。同市交通対策課は「厳しい収支が示され、危機感を再認識したが、高校生らにとっては欠かせない通学手段。今のところ、JR側から『上下分離方式』といった具体的な提案はない」という。

 「時間が正確で大量輸送が可能な鉄道路線が仮になくなるようなことがあれば、市民生活にどのような影響が出るか不安」とするのは、姫新、因美線を抱える津山市の商業・交通政策課。国や県などと協力しながら、利用者増に向けて取り組む考えを示した。

 姫新線がある真庭市は「鉄道のないまちは大きなイメージダウンにつながる。地域の足という観点などからも路線維持をお願いしたい」(くらし安全課)。国や県に中山間地と都市部の公共交通に関する格差解消を求めると同時に、蒜山高原といった観光資源を活用した鉄道利用促進策を検討し、JR側に提案するという。

 通院のために月2回程度、因美線を利用する主婦(75)=津山市=は「夫が免許を返納してからは、列車がなくてはならないものになった」と強調。「赤字が大きくなっていることも理解しているが、住民の声もしっかり聞いた上で、今後の方針を判断してほしい」と要望した。

 JR西日本岡山支社は近く、3路線の沿線自治体である津山、新見、真庭、美作市、勝央町に出向き、収支状況などを説明する。芸備線は、現在立ち上げている検討会議で今後の在り方を探っていく方針。姫新、因美線は今後検討していくという。

(2022年04月11日 22時28分 更新)

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