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香川・豊島 遮水壁の撤去始まる 産廃処理事業は最終段階に

豊島の産廃処分地で始まった遮水壁の鋼矢板の引き抜き工事
豊島の産廃処分地で始まった遮水壁の鋼矢板の引き抜き工事
香川・豊島 遮水壁の撤去始まる 産廃処理事業は最終段階に
 国内最大級とされる産業廃棄物の不法投棄が行われた香川県・豊島で1日、汚染された地下水が海に流出するのを防ぐための「遮水壁」の引き抜き工事が始まった。産廃撤去後の浄化作業により国の排水基準を満たしたことを受けたもので、国と県が800億円超を投じ、20年近く続いた処理事業は最終段階を迎えた。工事は3月末の完了予定。

 県が2001年と15~16年、処分地北の海岸に約340メートルにわたって埋設した鋼矢板(高さ2・5~18メートル、幅0・4メートル)計1087枚。工法の検討ワーキンググループで座長を務めた松島学・香川大名誉教授や住民でつくる廃棄物対策豊島住民会議のメンバーらが見守る中、午前9時から作業が行われ、クレーンで板の上部を挟み込んでは1枚ずつ引き抜いていった。

 「埋設から長い年月が過ぎており、完了まで慎重な作業を求めていく」と松島名誉教授。同会議の安岐正三事務局長は「産廃で隔てられていた島と海が再びつながる」としながらも「本当の原状回復はこれから。国立公園にふさわしかった美しい砂浜を取り戻すまで活動を続ける」と話した。

 県は、国の財政支援が受けられる産廃特措法の期限となる23年3月末までに処分地の関連施設撤去と整地を終えるとしている。その後、地下水が排水基準より厳しい環境基準をクリアすることを条件に、処分地を住民に返還する。

 豊島では1980年代から業者による自動車の破砕くず(シュレッダーダスト)などの不法投棄が深刻化し、90年に兵庫県警によって摘発された。住民は香川県に原状回復を求めて公害調停を申請し、2000年に成立。03年から県による処理事業が始まり、ごみと汚染土壌計91万3千トンが撤去された。

(2022年02月01日 19時41分 更新)

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