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コロナ禍 困窮家庭の「声」切実 支援グループがアンケート

子育て家庭に食料品や日用品を配る支援者=2021年12月18日、岡山市南区
子育て家庭に食料品や日用品を配る支援者=2021年12月18日、岡山市南区
コロナ禍 困窮家庭の「声」切実 支援グループがアンケート
 子ども支援団体などの連携グループ「こどもを主体とした地域づくりネットワークおかやま」は、新型コロナウイルスの影響などで困窮している子育て家庭の「声」をアンケートで集めた。生活苦に拍車が掛かる中、子どもの将来を案じる切実な思いが続々と寄せられた。同ネットワークは支援の輪を広げるため、「声」を社会に発信していく。

 コロナ禍を受けて同ネットワークが始めた食料・日用品支援事業「フード&ライフドライブ」でつながりができた岡山県内の約600世帯にウェブアンケートで呼び掛け、約210世帯が答えた。

 多くがひとり親世帯。高校生ら2児の母親は感染拡大で8カ月間、仕事に就けず、子どもは部費が高い吹奏楽部への入部を断念した。別の母親は、食料や生活用品を買う余裕がない状況に「中学生の子どもが進路の話を積極的にしなくなった」と打ち明けた。

 ほかにも、昼夜のダブルワークをしている▽自身や子どもに病気、障害があり働くのが困難▽頼れる先がない―といった人もいる。

 ふたり親世帯も「共働きだが、(収入は)1馬力分にもならない」「収入が激減して借金が膨らみ、困っている」と窮状を訴える。ある家庭は子どもが病気で、母親はフルタイムで働けず、父親はコロナ禍のあおりで残業がなくなり、月給が15万円ほどに。住宅ローンを抱え、食費を月1万円に切り詰めているという。

 求める支援で多かったのは、食料・日用品▽経済面や就労のサポート▽気軽に相談できる専門家や仲間―など。行政に対しては、各種手当・給付金の支給要件緩和▽子どもの医療費助成拡充▽多子世帯支援の強化▽手続きの迅速化―といった要望が上がった。

 「お金の不安から解放されたい」「子どもにお菓子を買ってあげたい」「ひとり親でも子どもの将来の道が閉ざされない世の中であってほしい」「笑って暮らせる人生を送りたい」と苦しい胸の内を明かす母親たち。子どもらも「大学に行きたい」「お母さんを支えたい」と思いを寄せた。

 同ネットワークはこのアンケート結果を行政や企業などにも届けながら、必要な支援を探っていく。直島克樹代表=川崎医療福祉大講師=は「コロナ禍を機に、地域に埋もれた困窮家庭の声なき声を受け止めることができた。社会を動かす力にしたい」と話している。


【困窮子育て家庭の声】


※抜粋、()内は世帯構成

■安定した収入が欲しい。障害のある子どもの将来が心配。夜も働きたいけど、子どものことが心配で働けない。(ひとり親、小学生・専門学校生・大学生)

■とにかくお金がない。ぜいたくはしなくていいからお金の工面で悩まなくてもいいようになりたい。(ひとり親、小学生)

■ひとり親という環境に育っているために子どもが夢をかなえるチャンスを奪っている気がします。親として、行政や支援団体に頼らざるを得ない環境につらい気持ちでいっぱいです。感謝して生きていきます。(ひとり親、小学生・高校生・社会人)

■生活費の捻出に精いっぱい。子どもの娯楽に使えるお金がありません。毎日淡々と生きてるだけ。(同、小学生・高校生)

■児童扶養手当は子どもが増えるほど1人の給付額が減りますが、それを一律にしてほしい。3人いれば3人とも同額もらえると助かります。人生、まさかこんな状況になるとは思っていなかった。子ども達だけは望む進路に進めてやりたいが、そのお金がない。どうしたらいいですか。(ひとり親、小・中・高校生)

■シングルの方への支援はしょっちゅう見かける。しかし、シングルより収入が少ない夫婦もいる。例えばわが家の場合、主人は病気で働けない。私は幼児がいることを理由に就職を断られました。バイトやパートをしたとしても、2万~3万円の収入では保育園料を支払って終わり。毎日生きていくのが精いっぱい。目に見えていない、シングルの方以外の超低所得者への配給や支援をお願いします。(ふたり親、幼児・小学生)

■コロナ禍でもあり、物品や金銭援助も必要に感じていますが、受け渡しの時に誰かから助けられているということが大きな精神的支えになります。ちょっとした声かけをいただくだけでもうれしいです。(ふたり親、小学生)

■子どもは病気を患っていて、私以外の人に預けて仕事をするのは心配なので、今はフルタイムで働けません。一時期は夫の仕事はコロナの影響で一切残業がなくなり、手取りが月15万円のこともありました。この状態が1年近く続きました。家のローンもあり、食費月1万円、小遣いなし、公共料金も節約し、できることはしています。子どもにはいろんな所へ連れて行ってあげたいですが、病気があるし、コロナも怖いので、人の少ない公園に遊びに行くくらいです。コロナのせいで我慢や心配ばかりするのに疲れました。(ふたり親、幼児)

■仕事が減って収入の不安がつきない。精神的病気になった。治療費がかかりつらい。(ふたり親、小学生・高校生)

■やりたいことをやらせてあげたい。行きたい所に行かせてあげたい。したいことをさせてあげたい。だからママは、頑張ります。養育費を国が強制徴収できたら、養育費がなく困るシングルが少しでも減る。(ひとり親、小・中学生)

■ひとり親で子ども2人を育てています。子どもにアレルギーや発達障がいがあり、平日病院や療育に通っているため、フルタイムで働くことができない。そういう人が働ける場を作ってほしい、または情報提供してほしいです。元夫は養育費を全く払ってくれないので生活が大変です。(ひとり親、幼児・中学生)

■子どもに我慢させずに好きなことをやらせてあげたい。本当に助けてください。人並みの生活がしてみたいです。(ひとり親、高校生)

■子どもが進学希望。しかし、ひとり親でどこまでできるのか? 進学のために頑張って勉強しているわが子のためにお金を稼ぎたい。けれど、働いて稼げる金額、時間も限られ貯金もできず、毎日の生活でいっぱいいっぱい。子供もお金の心配をして半分夢を諦めつつある中で、どうにかお金の心配をすることなく夢に向かって進んでほしい。親としてどうしてやればいいのか、頭をなやませている毎日。(ひとり親、小学生・高校生)

■コロナ禍で、今まで以上に厳しい。私はひとり親で、両親も他界しているため、助けてもらえる場所がない。笑って毎日を過ごしたいのに、子どもと2人で頑張ろうと思うのに、投げ出したくなることもある。(ひとり親、小学生)

■民間の支援団体は積極的に母子家庭の援助としてくれてありがたい。反面、自治体や国からの動きは全くと言っていいほどなくて、ただ国の経済を動かしたいという思いばかりが強く感じられる。生活を切り詰めていかなければならない状況で不安ばかりの毎日です。母子家庭の世帯にもっと金銭面の支援なり、食料などの支援を国や県がもっと手厚く助けてくれないと困ります。(ひとり親、小学生)

■コロナの影響で残業が減って収入が減っています。シングルマザーのため、夜遅くに働くのが難しいです。子どもは高校生なので、お弁当が必須で食料支援等とても助かっています。(ひとり親、高校生) 

■多子世帯への支援を充実させないとみなさん子どもをたくさん産もうと言う気持ちになれないと思います。電気・ガス・水道などの光熱費や各種税金面で優遇がないと子どもが多ければ多いほどお金がかかる構図ではみんな子供の産み控えをします。どうかよろしくお願いします。(ふたり親、幼児・小学生)

■ひとり親家庭のため、習い事などにお金がかけれず、子供の将来に少し不安があります(大学に行かせてあげられるか入れるのか?)。子どもの得意なことをのばしたり、見つけられたりしたらいいと思います。ひとり親や貧困家庭の子どもたちに格安または無料で習い事や体験学習をさせていただけたら子どもたちの可能性が広がると思います。(ひとり親・祖父母と同居、小学生)

■行政にもサポートはありますが、条件が満たされず利用できない、申請できないものがあります。本当に困っている時に申請できなかった。今も解決せず、先行きは不安でしかありません。形式だけで対応するのではなく、事情をくみとって柔軟に対応してもらえるようになればと思います。ひとり親家庭で、子どもに一番お金がかかる時期に、お金が足りず仕事量を増やして頑張ると、手当がなくなったり、減額になったりするので、毎月の赤字になります。学校の行事や個人懇談など、パートでないと休みが取れない、取りにくいのもあり、正社員になれません。本当に苦しい。もう無理と思いながらの毎日に、さようならできるようになりたい。(ひとり親、小学生・高校生)

■余裕のある生活を送りたい。子どもにお金の心配をさせたくない。(ふたり親、幼児)

■子供がパソコンに興味を持っていても、お金がないから買ってやれない。スマホが欲しくても買ってやれない。塾に行かせたくても行かせれない。外食したい。遊びに行きたい。ほぼお金の事で断念させてばかりなので、贅沢はしなくても、人並みのことをしてやりたいと思ってもできない母を情けなく思います。(ひとり親、小学生)

(2022年01月23日 18時49分 更新)

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