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かわいらしいメロディーに続いて…

 かわいらしいメロディーに続いて「お風呂が沸きました」と優しい声が流れる―。お湯張り完了を知らせる音声だ。ドイツの作曲家のピアノ曲を使ったこのお知らせは今年、音商標に登録された▼装置は給湯器メーカーのノーリツが24年前に発売し、日本人の3人に1人が聞いているとか。これからお風呂に入る高揚感と幸福感を感じてほしいとの思いを込めているという▼冷え込みが強くなり、温かな湯船が恋しい時季だ。もっとも、冬本番に向けては高齢者を中心に風呂での注意がより必要となる。「ヒートショック」である▼脱衣場と浴槽などとの寒暖差で急激に血圧が変化し、意識障害や心筋梗塞を引き起こす症状だ。11月から2月にかけて起きやすいとされる。入浴中の急死者は多く、年1万9千人との推計もある▼ヒートショック防止の啓発サイトによると、入浴中の心肺停止は冬の寒さが厳しい北国で多いと思われがちだ。だが、そうした地域は浴室の暖房設備が整っているため、むしろ寒いイメージの少ない地域で多いという。脱衣場や浴室を暖めておく、湯は41度以下、飲酒後や食後すぐの入浴は避ける―などを心得たい▼〈冬の風呂フタ開けとくよ孫が言う〉。キッチン・バス工業会が本年度募った川柳の入賞作の一つだ。風呂で味わう幸せは、安心・安全があってこそだろう。

(2021年11月30日 08時00分 更新)

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