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俳優加賀まりこさんの事実婚のパ…

 俳優加賀まりこさんの事実婚のパートナーには、自閉症のある息子がいるそうだ。「彼が誰にでも優しいのは、息子の存在があったから」。先日の本紙文化面の記事でそう感謝していた▼息子のような人を街で見かけたらほほ笑んでほしい、と54年ぶりに主演を引き受けた。その映画「梅切らぬバカ」を岡山市内で見た。梅の木がある家で自閉症の息子と暮らす女性の役だ。子どもが50歳になったのを機にグループホーム(GH)に入居させる前後の葛藤を演じている▼障害者が支援を受けながら共同生活するGHについて、厚生労働省は今月、1人暮らしや恋人との同居を希望する人向けに、新たなタイプを設ける方針を明らかにした。利用者への調査で、そんな将来を望む人が4割に上ったのが理由▼NPO法人岡山県自閉症児を育てる会(赤磐市)が来年3月の開所を目指し建設している新たなGHのことが会報に載っていた。6部屋あり、壁紙は入居者に決めてもらっているそうだ▼やはり一人一人の思いを大切に、ということだろう。そのためには、ほほ笑んでくれる人が多いといい▼映画のタイトルは「桜切るばか、梅切らぬばか」のことわざから。剪定(せんてい)は木の特性に応じてすべきだが、人間は誰もが自由に枝を伸ばせるはずだ。そんな加賀さんの思いは、多くの家族の願いに違いない。

(2021年11月27日 08時00分 更新)

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