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幸せ末広がり 看板犬「ハチくん」 夫妻の愛情注がれ元気取り戻す

店先で買い物客と触れ合うハチくん
店先で買い物客と触れ合うハチくん
 岡山ブルーライン沿いの道の駅・黒井山グリーンパーク(瀬戸内市邑久町虫明)。頓宮直(なおし)さん(71)・けい子さん(72)夫妻が営む「頓宮鮮魚店」を訪ねると、店先でコーギー犬のハチくん=10歳、雄=が迎えてくれた。

 山吹色の毛並みはふわふわ。短い足でトコトコとじゃれてくる。写真撮影が大好きといい、スマートフォンを取り出すと、ばっちりカメラ目線を向ける。

 人懐こく、愛くるしいハチくんが夫妻の下にやって来たのは5年前。本紙の伝言板広告・サンデメに掲載された「無料でさしあげます」のメッセージがきっかけだった。

 繁殖犬だったという。会いにいくと、痩せこけて、毛は黒く汚れ、鳴きもせず、おびえ、うなだれていた。背中にはたたかれたような痕。目や足腰は弱っており、後に動物病院で栄養失調に加え、フィラリアに感染していると診断された。

 「これからはどんどん幸せに」―。そんな願いを込めて夫妻は、末広がりの「八」から名前を付け、家族として迎え入れた。

 家に来てもしばらくは押し入れや洗濯機の陰に身を隠していた。ずっとそばにいて安心させようと、店にも連れて行くことに。朝は直さんが運転する軽トラックの助手席に乗せ、地元の漁港や市場に仕入れに回る。漁師さんらに声を掛けられ、おやつをもらえるのが楽しみらしく、出発時間が近づくと「ワンッ」と催促する日もある。

 夫妻の愛情を注がれ、元気を取り戻したハチくん。今では店の「看板犬」として訪れた人たちを和ませている。「この子がいるからお客さんとの会話が弾み、いつも気持ちを明るくしてくれる。出会えて良かった」とけい子さん。愛犬との幸せな日々がいつまでも続いてほしいと願っている。

(2021年11月21日 18時36分 更新)

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