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この地に生きる4(5)津山東高「行学」 3年間地域と一体に

ソシオ一番街で飲食店を経営する加藤さん(左奥)に質問する生徒たち=10月13日
ソシオ一番街で飲食店を経営する加藤さん(左奥)に質問する生徒たち=10月13日
津山市加茂町知和地区で地域の課題をフィールドワークする生徒たち=8月20日
津山市加茂町知和地区で地域の課題をフィールドワークする生徒たち=8月20日
 津山東高(津山市林田)普通科の2年生8人が10月中旬、市中心商店街・ソシオ一番街にあるカフェを訪れた。

 地域学のプログラム「行学(ぎょうがく)」で、観光をテーマにフィールドワークするグループの生徒たち。経営者の加藤喜江さん(42)に商店街に出店した経緯や地元産食材へのこだわり、PR方法などを尋ね、地域の魅力を観光振興につなげていくための方策を探った。

 森藤成那さん(16)は店のPRに会員制交流サイト(SNS)を活用していると聞き、「情報発信の重要性を知った。もっと津山の魅力を発信できたら、今は市外にいる人も戻ってきたいと思うようになるのではないか」と話した。

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 行学は2016年度にスタート。地域での体験学習を通じて実践的に学び、問題解決や魅力アップを考えるのが狙いだ。実践と学ぶことは同じという意味の校是「行学一如」にちなんで名付け、全校生徒が3年間かけて取り組んでいる。

 メインで取り組む普通科は、1年時に市などの協力で地域の現状を学ぶ。2年時にはグループで地元企業や住民団体を訪問調査し、課題の発掘や解決に向けた提案を行う。3年時はそれまで学んだ経験や進路希望を踏まえ、発展研究を進める。

 森藤さんら今年の2年生は観光のほか、福祉、医療、子ども・教育など7分野で学習。各分野で数人ずつのグループに分かれ、フィールドワークなどを展開している。

 看護科や食物調理科も高齢者施設でのボランティア活動、ショウガなど津山産農産物を使ったレシピの考案に取り組んでいる。

 行学を統括する吉田裕幸主幹教諭(50)は「地域で暮らす当事者意識を持ち、地域と一体になって活動する経験が郷土愛を育む。地元就職や将来まちを出ても地元に関わり続けることにつながれば」と期待する。

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 行学を通じ、生徒が地域と連携してイベントを企画することもある。19年10月には、加茂町知和地区の住民でつくるNPO法人「スマイル・ちわ」と交流イベントを開催。段ボールでピザ窯を作り、地域の高齢者や子どもたちと味わった。

 同法人では、今年も生徒たちが法人の活動や地域の課題などを学習。2グループ6人は法人発足10年を迎える来年に再び交流イベントを開く計画で、準備を進めている。

 スマイル・ちわの国米彰代表理事(71)は「高校生は、地元にいると気付かない意見や地域の良さを提案してくれる。今後も交流を続けたい」と話す。

 今月24日にはこれまでの活動を校内で発表する。商店街でのフィールドワークの成果などを披露する普通科2年の中木優李さん(17)は「魅力的な店を地域に増やせたら観光客誘致や地域活性化につながると思った。津山を盛り上げるアイデアを提案したい」と張り切っている。

(2021年11月02日 17時23分 更新)

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