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衆院選岡山3区 候補者に聞く 阿部氏、平沼氏、森本氏、尾崎氏(届け出順)

(左上から時計回りに)阿部氏、平沼氏、森本氏、尾崎氏
(左上から時計回りに)阿部氏、平沼氏、森本氏、尾崎氏
 31日投票の衆院選で、岡山県内は全5小選挙区に自民党、立憲民主党、共産党、無所属の計15人が立候補。新型コロナウイルス対策をはじめ、地方創生や憲法改正などを巡って舌戦を繰り広げている。各選挙区の候補者に主張や政策を聞いた。


阿部 俊子氏(自民・前)


 ―選挙戦で何を訴えるか。

 中山間地域では高齢化率が上昇し、人口減少対策が急務となっている。Iターン移住者らの動向を分析し、にぎわいづくりを進める。コミュニティーを維持するためには医療と教育が重要で、新型コロナウイルス禍で注目を集めたリモート診療、オンライン授業などをさらに広げていく必要がある。

 ―新型コロナ対策にどう取り組むか。

 感染予防の面では、日本人の公衆衛生の底力が示された。手洗いやマスクの着用、3密の回避などでロックダウン(都市封鎖)に踏み切ることなく対応できているからだ。今後は治療薬を早期に普及させ、3回目のワクチン接種を進めることが重要。疲弊している飲食や観光業などを支援し、経済を回していくことも訴えたい。

 ―防災減災対策は。

 予防的なインフラ整備に取り組む。近年想定外の豪雨が多発しており、河川のしゅんせつで水の流れを良くすることが有効だろう。また、今回あらわになった感染症の危機もある意味で災害と言える。パンデミック(世界的大流行)に強い体制を省庁横断で構築していくべきだ。

 ―前回は小選挙区で初めて当選した。

 5期16年国会議員を務めてきたが、最初の4期は比例復活だった。小選挙区で勝つのと比例で当選するのとでは党内での発言力や官僚の対応が全く違う。地方の声をくみ取る立場として、発言力を高め、支援者に政策で恩返ししたい。

 横顔
 看護師出身で、日本看護協会の副会長や東京医科歯科大大学院の助教授を務めた。2005年郵政選挙で党本部の要請を受けて出馬、初当選を果たし、農林水産、外務の各副大臣を歴任。地元回りの際にはテーマカラーのオレンジのアイテムを欠かさず身に着ける。宮城県出身。米イリノイ州立大シカゴ校大学院修了。62歳。


平沼 正二郎氏(無所・新)


 ―自公政権をどう見ているか。

 新型コロナウイルスは誰が対応しても難しく、評価はしにくいが、IT(情報技術)を活用した対策など、もう少しやれることはあった。ただ、この1年間でデジタル庁の設置や土地利用規制法の成立といった、今までなかなか進められなかった政策に着手できたのは大きな成果だ。

 ―選挙戦で訴えたい政策は。

 まずは新型コロナ対策だ。ワクチン接種をスピード感を持って進める。アフターコロナを見据え、経済的に打撃を受けた飲食、宿泊、観光業などの事業者への積極的な財政出動も必要だ。選挙制度改革では、良くも悪くも自民党1強の状況を生んでいる衆院の小選挙区比例代表並立制を改めるべきだ。

 ―地方創生への考え方は。

 高速道路といったインフラ整備や防災減災対策に向けた国土強靱(きょうじん)化にしっかりと予算を付ける。人口減少も踏まえ、非正規雇用から正規雇用への切り替えを進め、結婚して子どもを産みやすい環境もつくるべきだ。補助金を充実させるなどして離農を防ぎ、新規就農者を増やす仕組みも整えないといけない。

 ―父・赳夫氏の後継で2度目の挑戦だ。

 父の意思を継ぎ、日本の国のかたちをしっかりと守っていく。国会議員の本分は国民の安心と安全を守ることだ。将来世代が日本に生まれて良かったと思ってもらえるような社会にしていくことが、私たちの世代の責務だと思っている。

 横顔
 元経産相の父・赳夫氏の引退を受けて初出馬した前回の雪辱を誓う。祖父は元首相の騏一郎氏。2006年にITコンサルティング会社を創業し、行政のデジタル改革に意欲を見せる。2児の父親で「子どもと遊ぶのが趣味」という。眼鏡をコンタクトに替え、イメージチェンジして臨む。岡山市出身。学習院大経卒。41歳。


森本 栄氏(立民・新)


 ―自公政権に対する評価は。

 第2次安倍政権以降の約9年間、官僚を力で抑え付ける忖度(そんたく)政治がまん延し、我慢ならない思いだ。党内政治を重視するあまり、政策が国民に向いていないと感じる。子どもや孫の世代に堂々と誇れるような社会を実現させるためにも、今ここで政治の体質を変えないといけない。

 ―選挙戦で訴えることは。

 政府に広がっている費用対効果や効率一辺倒の考え方を改める。例えばこの30年間、全国で保健所が大幅に減らされており、新型コロナウイルス禍では医療の逼迫(ひっぱく)を招いた。労働者派遣法は、正規労働者を減らして格差拡大を招いた。あらゆる分野で無駄なものをなくすという発想の根底を是正していく。

 ―新型コロナ対応の具体策は。

 「二兎(にと)を追う者は一兎をも得ず」という言葉があるが、まずは感染拡大防止に全力を挙げるべきだ。PCR検査の徹底と感染者の隔離、ワクチン接種を推進し、その後に疲労困憊(こんぱい)している中小企業や自営業者のため、思い切った財政支援に打って出る。

 ―地方の活性化にはどう取り組むか。

 高齢者福祉や子育て世帯のバックアップを充実させ、誰もが住みやすい環境をつくる。自主防災組織の活用を促進して防災力を上げ、地域のつながりを守ることも有効だろう。かつて旧民主党政権が実施した農家への戸別所得補償制度を取り入れ、第1次産業を守ることも求められる。

 横顔
 2001~06年に連合岡山の会長を務めた。高校生の頃から社会活動に関心を持ち、地元の旧落合町(現真庭市)役場に入庁後、アルバイト時代を下回る賃金の低さに衝撃を受けて労働組合活動を始めた。7月に死去した元参院議長江田五月氏とは親交が深く、自身の立候補を後押ししてもらったという。関西大法卒。73歳。


尾崎 宏子氏(共産・新)


 ―選挙戦で最も訴えたいことは。

 中山間地域でなりわいとしている人が多い農林漁業の振興に取り組む。地域の豊かな自然や営みを支える基幹産業だが、後継者が見つからず将来に希望が持てない人が多い。3区内の各市町村も対策を進めているが、予算にも限界があり田畑や山、海が荒れていくことを嘆く声もある。本来は国がきちんと対応すべき問題だ。

 ―政権をどう評価するか。

 多くの人が怒りを感じている。無為無策の新型コロナウイルス対策を続け、亡くなった人の命をあまりにも軽視している。命と暮らしを守る政治へと転換していかなければならない。そのためにも政権交代のチャンスがあるこの歴史的な選挙で野党が一丸となって立ち向かっていく。

 ―新型コロナの抑え込みへの具体策は。

 PCR検査とワクチン接種を大規模に行い、感染拡大防止と重症化の予防につなげる。併せて、大規模な診療施設を整備し、救える命を最大限救うことも大切だ。専門家の声に丁寧に耳を傾けながら政策を考える姿勢も求められる。

 ―防災減災対策についてはどう考えるか。

 西日本豪雨で被災した倉敷市真備町地区では住民同士の支え合いの取り組みが生まれているが、発災を防ぐことも欠かせない。国は河川の改修を着実に進めるとともに、災害の原因でもある気候変動問題の解決を目指し、国際社会の中でもっと存在感を発揮していくべきだ。

 横顔
 和気閑谷高時代にストーブ設置を求めて全校生徒ら千人超の署名を集め、知事や県議に提出した経験が政治活動の原点という。共産党には党員だった父の影響などもあり、18歳で入党した。特技の落語は「選挙に“落ち”は禁物」として、しばらく封印するという。美咲町出身。ノートルダム清心女子大文卒。65歳。

(2021年10月24日 06時34分 更新)

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