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備前焼・隠崎さんの歩みたどる 瀬戸内市立美術館で個展始まる

隠崎さんが手掛けたオブジェなどが並ぶ会場
隠崎さんが手掛けたオブジェなどが並ぶ会場
 備前焼の岡山県重要無形文化財保持者・隠崎隆一さん(71)=瀬戸内市=の個展「隠崎隆一の陶芸 形と表情の変遷」(山陽新聞社など主催)が23日、同市牛窓町牛窓の市立美術館で開幕した。初期から近作までの作品を展観し、革新的な造形を追究してきた約40年の歩みをたどっている。12月19日まで。

 つぼや花器、陶板、オブジェなど約50点を展示した。このうち「備前混淆(こんこう)広口花器」はおわんのような形状で、良質な陶土と作陶に向かない土を何種類も合わせた「混淆土」を使用。シャープな造形と豊かな窯変が力強い雰囲気を漂わせる。

 ギリシャ語で生命を意味する「Zoi」と名付けたオブジェは、細長く下部がねじれた形状。白と黒の2点を組み合わせて展示し、寄り添う男女を想像させる。ほかに古代ギリシャの兜(かぶと)を連想させる彫刻的なオブジェなどもある。

 訪れた美術家の男性(67)=赤磐市=は「備前焼の伝統を守りつつ、新しいものを生み出そうとするエネルギーを実感できた」と話していた。

 長崎県五島列島出身の隠崎さんは、デザイナーを経て備前焼の道に入り、人間国宝(重要無形文化財保持者)の伊勢崎淳さんらに師事、1985年に瀬戸内市に築窯した。地元での本格的な個展は初めて。

 午前9時~午後5時。月曜と11月4、24日休館。一般800円、65歳以上700円、中学生以下無料。問い合わせは同美術館(0869―34―3130)。

(2021年10月23日 18時37分 更新)

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