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「秋冷」から「秋寒」へ、時候の…

 「秋冷」から「秋寒」へ、時候のあいさつも変わるころだ。先週まで続いた残暑がうそのように、いきなり朝晩めっきりと冷え込んできた。街並みや山々の輪郭が鮮明になった。店頭には季節を彩る作物も並ぶ▼美しい実りの秋には少々無粋だが、各地を選挙カーが縦横に走る。政権選択をかけた4年ぶりの衆院選も中盤に入った。コロナ禍の不安が残る。大規模集会は自粛傾向とあって、車から候補者の名前を訴える声にも力が入る▼短時間で同一内容の短い文言を繰り返し訴えることを「連呼」という。公職選挙法によると、走行中の車上から政策などを訴える通常の選挙運動はできないのだが、例外的に「連呼」は認められている▼有権者に「やかましい」と感じられれば好感度は下がる。学校や病院周辺では静寂が求められるので、行程にも気を使う。それでも定番として続いているのは、名前を売り込む手法として一定の効果があるからだろう▼ただ、せっかく走り回るなら候補者にはしっかり地方の実情を見てもらいたい。コロナ禍で苦しむ飲食店街や少子高齢化で先が見えない農山村も多い。鈍感でなければ、政治の責任を痛感するはずだ▼有権者の側も「自分には関係ない」と無関心ではいられない。まず候補者の訴えを聞き比べてみよう。投票先に悩む秋の夜長もあっていい。

(2021年10月23日 08時00分 更新)

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