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衆院選岡山1区 候補者に聞く 逢沢氏、余江氏、原田氏(届け出順)

(左から)逢沢一郎氏、余江雪央氏、原田謙介氏
(左から)逢沢一郎氏、余江雪央氏、原田謙介氏
 31日投票の衆院選で、岡山県内は全5小選挙区に自民党、立憲民主党、共産党、無所属の計15人が立候補。新型コロナウイルス対策をはじめ、地方創生や憲法改正などを巡って舌戦を繰り広げている。各選挙区の候補者に主張や政策を聞いた。


逢沢 一郎氏(自民・前)


 ―今回の総選挙の意義は。

 新型コロナウイルス禍や台頭する中国との向き合い方など、内政、外交いずれも重要課題が山積し、戦後で最も厳しい局面を迎えている。こうした状況を乗り切るために、政治の判断力や指導力、実行力が必要だ。選挙でわが党の考えに支持と理解を得て、結果を出していきたい。

 ―この数年間の政権をどう見ているか。

 2012年衆院選で政権に復帰して以降、アベノミクスによって雇用を回復し、株価を押し上げた。国内総生産(GDP)も引き上げ、経済の立て直しに大きな成果を上げた。ただ、森友学園を巡る公文書改ざんや「政治とカネ」などの問題があったのも事実。国民から厳しい目を向けられていると自覚し、律しなければならない。

 ―新型コロナ対策が大きな争点となっている。

 ワクチンの確保と接種の推進は当然として、飲み薬タイプの治療薬の開発が急がれる。傷んだ経済の手当てに加え、収束後のポストコロナ時代にどのような経済社会をつくっていくかも示していく必要がある。コロナ禍で露呈した日本の危機対応能力のもろさについても検証し、改善を図ることが求められる。

 ―地方創生も重要なテーマだ。

 岡山は中四国地方でナンバーワンの農業県で、災害が少なく住みやすい。コロナ禍もあってテレワークが普及し、必ずしも都市部に住む必要はない。地域の魅力をアピールし、人口増につなげたい。

 横顔
 祖父・寛氏、父・英雄氏に続き衆院議員になった。衆院議運委員長や予算委員長、外務副大臣といった要職を歴任。党選挙制度調査会長として、選挙権年齢の「18歳以上」への引き下げも主導した。座右の銘は「大樹深根」で、「大きく成長するには基礎・土台と見えない努力が大切」とする。岡山市出身。慶応大工卒。67歳。


余江 雪央氏(共産・新)


 ―政権に対する評価は。

 国民に自己責任を押しつける政治が行われている。私が20代の頃、世間はちょうど就職難だった。非正規雇用で働く人が増えていく中で、正社員になれないのは個人のせいだとする風潮が横行していた。今も同じであり、そのような風潮をつくった政治は変えなければいけない。

 ―衆院議員の任期満了間近での解散。どう捉えているのか。

 わが党は自民党の政治をいち早く転換すべきだと訴えていたものの、新型コロナウイルスの感染対策が最優先で、解散を求める状況ではなかった。この時期になったのは仕方がないとも言えるが、コロナ禍を長引かせた責任は追及したい。

 ―新型コロナ対策の現状についてどう考えるか。

 原則自宅療養とする政府方針は、実質的な患者の放置だと考える。臨時医療施設や医療機能を持った宿泊療養施設を確保し、全ての患者に必要な治療を提供しなければならない。感染者を早期に発見するため、事業者や学校、幼稚園・保育園などで定期的な無料検査を実施することも求められる。事業者への給付金といった補償も、もっと拡充すべきだ。

 他に主張していきたいことは。

 戦争放棄や武力の不保持を定めた憲法9条は世界に誇れる日本の宝で、決して変えてはいけない。各国が軍事力を強化し合えば一触即発の事態を招く。9条の精神を生かした平和外交で、対話による解決を目指すべきだ。

 横顔
 大学生だった19歳の時に入党。核兵器廃絶運動やワーキングプア(働く貧困層)の問題などに関わるうち、政治を変えたいとの思いを強くしたという。好きな言葉は「社会は変わるし変えられる」。撮りためたアニメを見るのが趣味で、今は「ワンピース」にはまっている。京都府舞鶴市出身。吉備国際大社会卒。44歳。


原田 謙介氏(立民・新)


 ―選挙戦で何を訴えるか。

 格差の拡大によって一人一人の生活が悪化し、社会全体の活力も失われている。解消に向けて税の再分配に着手すべきだ。高所得者が増えている中では法人税や所得税への課税を強めることも一つの方法だと考える。

 ―現政権の評価は。

 本当に困っている人たちの声が届かない。例えば労働。自民党は大学生の就職内定率アップを成果としているが、実態としてはワーキングプア(働く貧困層)が増え、実質賃金も低下している。今春には、正規・非正規労働者間の不合理な待遇格差を禁じる「同一労働同一賃金」が中小企業にも適用されたものの、現実は異なっている。このまま今の政権を続けさせるわけにはいかない。

 ―新型コロナ対策が喫緊の課題となっている。

 感染の兆しを早期に発見して拡大を抑え込むため、PCR検査や抗原検査をもっと増やす必要がある。傷んだ地域経済の回復も急務であり、コロナ禍の影響を受けるあらゆる業種を対象に公平な支援を行うべきだ。生活困窮者への10万円給付、時限的な消費税の減税なども検討しなければならない。

 ―若者の政治参加に取り組むNPO代表を務めた経歴を持つ。

 日本は主権者教育が不十分で、政治参加のチャンネルを増やすことが求められる。今回の選挙では、奨学金や子育てなど若い世代にとって身近な政策を前面に押し出し、投票率アップにつなげたい。

 横顔
 大学卒業後、「若者と政治をつなぐ」をコンセプトに立ち上げたNPO法人で、地方議員との交流会や出前授業に取り組んだ。18歳選挙権の導入時には参院審議で参考人として意見陳述したこともある。旅行が趣味で、40カ国以上を訪れた。座右の銘は「年中夢求(ねんじゅうむきゅう)」。倉敷市出身。東京大法卒。35歳。


(2021年10月22日 06時43分 更新)

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