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年末恒例の新語・流行語大賞はそ…

 年末恒例の新語・流行語大賞はその年に最もインパクトを残した言葉に贈られる。昨年は「3密」だった。過去の受賞語をたどると政党の政権公約「マニフェスト」がある▼「はっきり示す」という意味でラテン語が語源とされる。政策の達成期限や財源、工程を書き込み、審判を仰ぐ。大賞に選ばれた2003年は秋の衆院選から国政選挙に導入され、一躍脚光を浴びた▼そんな折、マニフェストの提唱者で元三重県知事の北川正恭氏が「約束した政策をどれだけ実現するか、政治や選挙に科学的合理性が入らないと信頼されない」と講演で訴えていたのが印象に残る。今後は政策本位の選挙が定着すると感じた▼ところがである。09年に政権交代を果たした旧民主党が子ども手当など看板政策を実現できず、イメージが一変した。名称の使用を避ける政党が増え、公約の記述も抽象的で踏み込まない傾向が強まっている▼衆院選が公示された。各党の公約を見ると「成長と分配」「給付金支給」といった聞こえがいい言葉は躍るものの、財源の裏付けや実現のプロセスが不透明なものが多いのに気付く▼だからこそ、政党や候補者の主張にじっくりと耳を傾け、国の将来を託すにふさわしい投票先を見極めたい。混迷の時代である。4年ぶりとなる政治決戦は有権者の「選択する力」も試される。

(2021年10月20日 08時00分 更新)

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