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伝統の「瀬張り網漁」最盛期 上質のアユ 高梁川で揚がる

伝統漁法で揚がっている上質のアユ
伝統漁法で揚がっている上質のアユ
「瀬張り網漁」で揚がった高梁川のアユ。大きく、濃厚な味わいが特徴という
「瀬張り網漁」で揚がった高梁川のアユ。大きく、濃厚な味わいが特徴という
 岡山県内で姿を消しつつあるアユの伝統漁法「瀬張り網漁」が高梁市南部の高梁川で最盛期を迎えた。夏の大雨の影響で漁獲量は例年より少ないが、毎年皇室に献上されているという上質のアユが揚がっている。

 川幅いっぱいに打ち込んだ鉄くいに何本ものひもを張り巡らせ、産卵のため川を下る落ちアユを足止めし、網に誘い込む漁法。高梁川では昭和初期に始まったとされる。ひもを張る作業は毎年9月上旬までに始まり、10月初旬から中旬に漁のピークを迎える。今年は8月の大雨で水量が減らず、9月下旬から作業が始まった。

 同市玉川町地区では漁師が夕暮れ時、網を川に投げ入れ、1時間ほど待機。日が沈むと、投光器で川面を照らしながらボートで網を回収していく。かつて1日30~40キロあった捕獲量は数キロにとどまるが、ミネラル分豊富な水で育ったアユは濃厚な味わいが特徴。体長20~25センチと大きく、30センチ超の「尺アユ」が交じることもある。

 県内水面漁業協同組合連合会によると、県内でこの漁法が続くのは高梁川のみ。高梁川漁業協同組合(同市鉄砲町)が管轄する高梁、総社、倉敷市内には16カ所ほどの漁場があったが、漁師の高齢化や後継者不足で担い手が減り、現在は高梁市の一部でしか見ることができない。

 同漁協の河原敏男理事は「川の風景が変わり寂しいが、秋の風物詩として守っていきたい」と話す。

(2021年10月13日 19時04分 更新)

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