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玉野の造船 三菱ブランドで再始動 マリタイム社が発足式

ロゴを塗り替えたクレーンの下で開かれた三菱重工マリタイムシステムズの発足式
ロゴを塗り替えたクレーンの下で開かれた三菱重工マリタイムシステムズの発足式
玉野の造船 三菱ブランドで再始動 マリタイム社が発足式
 経営再建中の三井E&S造船(東京)から官公庁船事業を譲り受けた三菱重工マリタイムシステムズ(玉野市玉)が1日、業務を開始した。三井E&S造船の親会社・三井E&Sホールディングス(HD、東京)から生産設備を借りて運営する。同HDの前身、三井造船の創業以来100年余りを経て、玉野での船造りは三菱ブランドの下で再始動した。

 マリタイム社は資本金5億円で三菱重工業(東京)が全額出資。取締役は5人で、三菱重工出身は調枝(ちょうし)和則社長ら3人、三井E&S造船からは鈴木幹久・前玉野艦船工場長ら2人が就いた。社員は三井から転籍した約400人。従来通り、防衛省の艦艇や海上保安庁の巡視船といった官公庁船を造る。

 玉野では別に、同HDの子会社・三井造船特機エンジニアリング(玉野市玉)に転籍した三井社員約300人と地元協力会社30社の約200人を合わせ、計900人が引き続き造船に携わる。

 業務のうち、鋼板から船体ブロックを造る工程と配管の一部を特機エンジ社と協力会社が請け負う。マリタイム社は船体ブロックを結合し、岸壁で設備や内装を施す艤装(ぎそう)を担う。実質的に業務を担当する人材は三井時代と変わらない。

 この日は、クレーンのロゴがスリーダイヤに塗り替えられた船台で新会社の発足式を開催。真新しい青の作業服を着た社員に向け、調枝社長が「三菱重工と三井E&S造船の人材、スキル、ノウハウを融合して強みをさらに伸ばし、日本の海洋安全保障に貢献していきたい」とあいさつ。鈴木取締役は「われわれは本日、新たなスタートを切る。未来を見据え、皆さんと船出したい」と呼び掛けた。

 三井E&Sグループは海外の発電所工事で生じた巨額損失や海外メーカーとの競合から造船事業を縮小。中核拠点の玉野でも今夏、官公庁船と商船の建造を終えた。三井E&S造船は約130人となり、船舶の設計やシステム開発に特化。商船建造は海外に委託する。

 三菱重工の造船所は護衛艦などを手掛ける長崎市、潜水艦の神戸市、商船と官公庁船の山口県下関市、修繕の横浜市があり、玉野は5カ所目。

(2021年10月01日 18時08分 更新)

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