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大原美術館の新児島館 10月公開 ヤノベケンジさんの大型作品展示

吹き抜けの空間に展示された「サン・シスター(リバース)」
吹き抜けの空間に展示された「サン・シスター(リバース)」
赤い壁が印象的な展示室。正式開館の際に児島虎次郎の作品が並べられる予定
赤い壁が印象的な展示室。正式開館の際に児島虎次郎の作品が並べられる予定
 大原美術館(倉敷市中央)の新館「新児島館」(仮称、同市本町)が29日、報道関係者らに公開された。大正建築の意匠が残る旧中国銀行倉敷本町出張所をリニューアルし、現代美術家ヤノベケンジさんの大型作品を展示。一般公開は10月1日から始める。

 国登録有形文化財の同出張所は、大原美術館を手掛けた総社市出身の建築家薬師寺主計(かずえ)が設計し、1922(大正11)年に完成した。改装工事はルネサンス調の円柱やアーチ窓、ステンドグラスは残し、壁を赤やライトグレーに塗った展示室のほか、研修室や資料室などを整備した。

 ヤノベさんの「サン・シスター(リバース)」(高さ4~5・6メートル、幅4メートル)は、吹き抜け空間に展示した。両手を広げ、油圧ポンプで立ち上がる仕組み。白いスカートは不死鳥の羽をイメージし、新型コロナウイルス禍で打撃を受ける倉敷や大原美術館の再生へ願いを込めたという。疫病を払うとされる妖怪アマビエを首にあしらった「赤漆舟守縁起猫」も置いている。

 新児島館は本来、大原美術館の礎を築いた洋画家児島虎次郎の作品や、児島が集めた古代エジプト・西アジアの美術品を陳列する計画だった。しかし、コロナ禍で美術館の経営が悪化。展示ケースなどを整備する資金が不足し、正式開館のめどは立っていない。

 森川政典副館長は「多くの人にサン・シスターを見てもらい、元気と勇気を与えられれば。早期の正式開館を目指し、努力していく」と話している。

 午前10時~午後4時。月曜休館。当面は入館無料。問い合わせは大原美術館(086―422―0005)。

(2021年09月29日 17時07分 更新)

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