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マスクをしていない。手にはビー…

 マスクをしていない。手にはビールや酎ハイの缶。カップルも、車座の一団もいる。赴任先の自宅がある東京都世田谷区の駅前広場で、夜ごと「路上飲み」に出くわす▼都内は今も新型コロナウイルスの緊急事態宣言下にある。感染拡大の懸念が増すだけに注意したくもなるが、人数に圧倒されて横目で通り過ぎてしまう。後に残るのはおびただしいごみ。業者やボランティアらが片付ける日々が続いている▼今年のカレンダーをめくり直して驚いた。都内に3度出された宣言は先週で計200日を突破した。今年の4分の3を上回る。まん延防止等重点措置の適用期間を加えると自粛生活は9割に及ぶ。「宣言慣れ」も仕方ないのか▼政府は今月、行動制限緩和の基本方針を示した。ワクチン接種や検査の陰性証明を条件に、宣言下でも都道府県をまたぐ旅行や飲食店の酒類提供を容認する内容で近く実証実験をするという▼苦境にあえぐ飲食店や旅行業界には朗報だが、医療関係者や自治体には慎重論が強い。まして方針を決めたのは退陣間近の政権である。コロナの「出口戦略」を最後の成果としたいとの思惑が見え隠れする▼「ポスト菅」を選ぶ自民党総裁選が明後日に迫り、その先に衆院選が待ち構える。いずれも最大の争点はコロナ対策だ。いつにも増して1票の重みを感じる秋である。

(2021年09月27日 08時00分 更新)

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