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手話で能と狂言を披露へ 11月に福山・喜多流大島能楽堂

手話で「土蜘蛛」を演じる大島輝久さん(左)と衣恵さん
手話で「土蜘蛛」を演じる大島輝久さん(左)と衣恵さん
 喜多流大島能楽堂(福山市光南町)は11月6日、手話で能と狂言を披露する全国的に珍しい公演会を同能楽堂で開く。能楽師らが独特の言い回しを手話で表現し、耳が聞こえない人にも幽玄の世界に親しんでもらう。

 公演では狂言「六地蔵」と能「土蜘蛛(つちぐも)」の2演目を披露。狂言に手話を取り入れた「日本ろう者劇団」の5人が仏師を名乗る詐欺師と田舎者の話「六地蔵」を演じ、せりふを和泉流狂言師・三宅近成さん(35)らが添える。

 平安時代の武将・源頼光(らいこう)と家臣による化け物退治を題材にした「土蜘蛛」は、喜多流能楽師の大島輝久さん(45)が主人公であるシテ役の「土蜘蛛の精」を演じ、姉の衣恵さん(47)が頼光の侍女「胡蝶(こちょう)」役を務める。物語を進める「地謡(じうたい)」は会場内2人の手話通訳者が意味を伝える。

 16日に同能楽堂で行われた記者会見では、輝久さんと衣恵さんが能面や装束を着けずに演じる「仕舞」の形で一部を披露。通常の能とほぼ同じリズムで手話も行われた。

 手話能は喜多能楽堂(東京)で2016年から上演されてきたが、19年までは舞台近くに控えた手話通訳者が同時通訳していた。演じる側が手話を使った舞台は、今年1月の国立能楽堂(同)での輝久さんらの公演が史上初となった。

 福山では初のお披露目となる手話能の舞台。輝久さんは「公演のキャッチフレーズは『聞こえる人も聞こえない人も』。ろう者の方に見ていただくとともに能や狂言になじみのない人にも入り口として楽しんでもらうきっかけになれば」と来場を呼び掛けている。

 公演は2部制(正午、午後3時半)。3500円。定員各部約300人。申し込みは大島能楽堂(084―923―2633)。

(2021年09月25日 19時15分 更新)

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