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岡山市長選告示 市民目線の政策論争熱く

 任期満了に伴う岡山市長選は、きょう告示される。10月3日の投開票日に向け、政令市でもある県都の未来を切り開く舌戦が始まる。

 立候補を表明しているのは無所属新人で前市議会議長の浦上雅彦氏と、無所属現職で3選を目指す大森雅夫氏。市政をよく知る両氏による一騎打ちが予想される。理想論でなく、市民生活を高めるための具体策を中心にした政策論争を期待したい。

 市民の最大の関心事は新型コロナウイルスへの対応だろう。昨年から岡山県内でも増減を繰り返している感染者の累計は1万5千人に迫る。その半数以上は岡山市が占める。独自の保健所を持ち、検査や感染者の健康観察、感染経路の追跡などを担当している。岡山市の対応は県内全体にも影響する。感染防止に今後どう取り組んでいくのか。議論を深めてもらいたい。

 酒類の提供を禁止されたり、営業時間の短縮に協力したりした飲食店などは、協力金が支給されても売り上げの激減にあえいでいる。ホテルや交通機関などにも影響は広がる。中心部のにぎわいづくりの一翼を担う業種である。コロナ後に元気な街を取り戻すためにも、苦境にある業種の人たちへの救済策を、あわせて示す必要があろう。

 街づくりの在り方も争点だ。現市政では2年後の開館を目指して新市民会館「岡山芸術創造劇場」の整備が進んでいるほか、路面電車のJR岡山駅への乗り入れや県庁通りの歩道拡幅など、中心市街地の魅力アップとにぎわいの創出に力点が置かれてきた。呼応するようにマンションやテナントビルの建築も進む。

 一方、平成の大合併で編入された地域を含め周辺部が取り残されているとの懸念も聞かれる。公共交通機関が貧弱で高齢者が出歩くことさえ不便な地域がある。少子高齢化が進み人口が急減している地域もある。空き家も増えている。こうした周辺部が抱える多くの課題にどう向き合うのか。対策を聞きたい。

 防災対策も欠かせない。3年前の西日本豪雨では、岡山市も河川の氾濫や土砂崩れにより大きな被害を受けた。国、県と連携して河川や道路の修復や整備を進め、防災体制を地域ごとに根付かせていかなければならない。

 子育て環境の整備や高齢者の生きがい対策もある。スポーツや芸術の振興策、コロナ禍で低迷する観光の振興策など論戦のテーマは尽きない。

 気になるのは投票率だ。前回は28・35%で過去最低を更新した。これでは市民の声を十分に反映したと言えまい。

 今回は、月末までコロナのまん延防止等重点措置が適用された中での戦いになる。これまで以上に盛り上げるのが難しい選挙になるはずだ。論点を分かりやすく整理し、市の未来像を浮き彫りにすることが必要になろう。有権者の関心を高める工夫をすることも候補者の責務である。

(2021年09月19日 08時00分 更新)

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