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創業43年の老舗 焼きめし残った 総社のラーメン店が代替わり

前店主からのメッセージを掲げた店内で名物の焼きめしを運ぶ坂手さん
前店主からのメッセージを掲げた店内で名物の焼きめしを運ぶ坂手さん
地元で“ソウルフード”と呼ばれる「のんきぼう」の焼きめし
地元で“ソウルフード”と呼ばれる「のんきぼう」の焼きめし
 創業43年を誇る総社市駅南の老舗ラーメン店「のんきぼう」が5月、代替わりをした。高齢を理由に引退を決めた前の店主からのれんを引き継いだのは、高校時代にこの店の味で育ったかつての常連。地元で“ソウルフード”と呼ばれる「焼きめし」の味を残そうと、自ら志願した。

 ふんわり卵にパラパラのご飯。焦げたしょうゆの香りが鼻をくすぐる。具材は、刻んだタマネギとニンジンやチャーシュー。「見た目は普通。でもこの味はなかなか出せない」。看板メニューの「焼きめし」(650円)をこんもりと皿に盛りながら現店長の坂手康真さん(44)=同市=が話す。

 オープンは1978年。当初はJR総社駅前の雑居ビル1階にあり、総社南高(同市三輪)で野球部員だった坂手さんは、部活の合間によく通っていたという。

 「満足のいく焼きめしが作れなくなる前に」と前店主が70歳を前に引退を考えていることを知ったのは昨年5月だった。ちょうど務めていた岡山市のラーメン店を退職したタイミングとも重なり、同11月には「あの味を残したい」と“弟子入り”を申し出た。鍋を振るう前店主の傍らに立ち、調味料の適量が指先でつまんだ感覚で分かるようになるまで、繰り返し練習した。

 〈これからも皆様を笑顔に出来る店で有り続ける事を願いながら応援していきます〉

 店舗の入り口には、若手に店を託した前店主のメッセージを張りだしている。それを横目に坂手さんは「『焼きめしにはこだわれ』と教えられた。40年以上の店の歴史は正直、プレッシャーだが、味を守っていきたい」と表情を引き締めた。

(2021年09月18日 17時42分 更新)

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