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備前市・真魚市を訪ねて おいしい魚が集まる旬の市場

真魚市では、旬の魚が一箱千円で手に入る。どの魚も新鮮で迷ってしまう
真魚市では、旬の魚が一箱千円で手に入る。どの魚も新鮮で迷ってしまう
海外の方も多いのが特徴だ。どんな料理をするのだろう
海外の方も多いのが特徴だ。どんな料理をするのだろう
イシモチはかわいい。時折、エビやイワシも混ざっている
イシモチはかわいい。時折、エビやイワシも混ざっている
タコは思ったより量があった。炊き込みご飯、刺身、酢の物になった
タコは思ったより量があった。炊き込みご飯、刺身、酢の物になった
岩淵泰さん
岩淵泰さん
 大学のキャンパスを歩いていると、職員の方から声をかけられた。時折、旬の魚や野菜の情報を交換する。たとえば、「今年は、雨が多くて、カキは小ぶりだが、味が良いですよ。一緒に買ってきますね。」「タイは大きくて良いですよ。」「県外からもお客さんが増えていますよ」など立ち話をする。タイ、ブリ、タコ、イカ、アナゴ、ゲタなど瀬戸内海の魚話はおもしろい。

 備前市の伊里漁業協同組合が毎週日曜日に開いている真魚市では、冬場になると、生産者が地元の殻付きカキを直売するので、買い時を教えてもらっている。真魚市の魅力は、獲れた魚の鮮度が抜群に良いことだ。漁師さんが港に船をつけ、生きたままの魚を箱に入れ、値段を付ける。お客さんは、どの魚の活きが良く、お得な値段なのかを見定めて購入する。その一連の流れを見ているだけでもワクワクする。

 真名市のパンフレットには、1999年7月11日に始まったとある。鮮魚だけではなく、野菜、果物、てんぷら、タマゴ、パン、弁当、カフェ、乾物など約30店舗からなるMANAショップも併設されている。真魚市に行けば、食べたいものはそろっている。気をつけたいのは、午前7時から正午までが開催時間だということだ。お勧めは、とにかく朝早く行くことだ。船の到着が、午前7時から8時半頃なので、良いものから売れていく。筆者は、だいたい午前5時に目が覚め、6時には仕事を始めるような早起きなので、全く問題はない。

 さて、市場を歩いてみよう。まず、発泡スチロールの箱一杯に詰められたアジ、ベイカ、イシグロダイ、イシモチ(テンジクダイ)が1000円で売られている。大きなブリとカツオも迫力満点だ。イカやアナゴの炭焼きが、香ばしい薫りを漂わせ、おなかが空いていく。

 ついに、お目当てのタコを発見する。1匹が、700円から1500円で並んでいた。じっとタコを見ていると、「お客さん、ゆっくり見て下さいね。好きなだけ買っても大丈夫ですよ」と声をかけられた。今までタコ1匹すら買ったことがない。素人ながら、タコの色、吸盤の感触、身のハリ具合など色々違うのが分かってくる。十分迷ったので、結局、二つ買うことにした。市場を歩いてみると、タイ、カニ、ハモも売っている。一度では食べきれないので、また出かけようと思った。

 家に帰ると、タコの調理を始める。タコはゆでたら終わりと思っていたら、粗塩でぬめりをしっかり取った方が良いと、おばあちゃんから教えてもらった。タコの刺身も、ゆでる前とゆでた後では味が違い、双方美味だった。岡山のタコは肉厚も良く、絶品なのだ。イシモチは、頭の硬い部分を取って唐揚げにしていただいた。県外の友人にも是非食べてもらいたいと思った。今日は楽しい一日だったと、時計を見ると、まだ、午前11時。ランチもディナーも楽しみなのと同時に、海を見て、頭はすっきりし、気持ちの良い日となった。

 ◇

岩淵 泰(いわぶち・やすし) 岡山大地域総合研究センター(AGORA)准教授。都市と大学によるまちづくり活動に取り組む。熊本大学修了(博士:公共政策)。フランス・ボルドー政治学院留学。カリフォルニア大学バークレー校都市地域開発研究所客員研究員などを経て現職。1980年生まれ。

(2021年09月01日 15時05分 更新)

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