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県産コーヒー ブランド化へ挑戦 岡山の農業会社 瀬戸内で苗木栽培

ビニールハウスで栽培しているコーヒーの苗木と平林代表取締役=瀬戸内市の前島
ビニールハウスで栽培しているコーヒーの苗木と平林代表取締役=瀬戸内市の前島
 岡山市の農業会社が、国内では珍しいコーヒー栽培に挑戦している。瀬戸内市の牛窓沖の前島で昨秋に試験的に始めたものの、加温せずに失敗したため、今春からは対策を講じながら新たに約4千本の苗木を栽培。コーヒー豆となる種の収穫まで2年はかかるが、焙煎(ばいせん)や販売まで全て自社で行う計画で、県産コーヒーのブランド確立を目指している。

 昨年3月、リサイクル業の平林金属(岡山市北区下中野)の関連会社として設立された葉豆瑠農園(同所)が始めたプロジェクト。コーヒーは日本で愛飲される一方、沖縄県や東京・小笠原諸島など一部の地域でしか作られていないことに目を付け、温暖で気象条件の良い前島での栽培に乗り出した。

 昨年9月に225本の苗木をハウス、露地栽培で加温せずに育てていたところ、年末年始の寒波によりほぼ全滅。現在は地元農家から借りたビニールハウスと新たに建てた計2棟(計約400平方メートル)で、4月に植え直した約4千本を栽培する。海外のデータを調べたり、専門家の助言を受けたりしながら水やりや温度管理を実施。秋ごろからは寒さ対策で加温するという。

 コーヒーに先立ち、7月中旬には摘み取った葉を乾燥させたお茶「コーヒーリーフティー」を開発し、運営する焙煎所「KOENBENCH」(同番町)で提供を始めた。今後は、前島で使い手がいない農業用倉庫をカフェスペース併設の焙煎所に改修するほか、県産のブドウやモモのしぼりかすを肥料として使用する計画もあるという。

 同農園の平林久周代表取締役(30)は「まだまだ手探り状態だが、前島の人たちの応援や協力もあって続けられている。うまくいけば、収穫や焙煎などを盛り込んだ観光体験も企画する予定。県産コーヒーという目標の実現に加え、島の活性化にも貢献できれば」と話している。

(2021年08月29日 18時13分 更新)

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