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「人工衛星で安否確認」運用訓練 矢掛町、避難所と対策本部つなぐ

Q―ANPIの管理パソコンで矢掛小体育館にいる避難者役の情報を送信する田尻副館長(中央)
Q―ANPIの管理パソコンで矢掛小体育館にいる避難者役の情報を送信する田尻副館長(中央)
衛星との送受信のため矢掛小の屋外に設置されたQ―ANPIの通信端末
衛星との送受信のため矢掛小の屋外に設置されたQ―ANPIの通信端末
 岡山県矢掛町は、人工衛星を利用した災害時の安否確認サービスの導入に向けた実証実験に取り組んでいる。携帯電話網など地上の通信インフラが使えなくなったとき、避難所と災害対策本部をつなぐ通信手段となり、町民の安全安心確保に役立てる。21日には初の大規模な運用訓練を実施した。

 同サービスは、「Q―ANPI(キューアンピ)」と呼ばれ、内閣府が運用。日本版の衛星利用測位システム(GPS)を担う衛星「みちびき」の機能を災害時に活用するもので、避難所に衛星通信端末と管理用のパソコンを配備、役場などの災害対策本部には情報を受け取る端末を設置して、それぞれをつなぐ。

 東日本大震災の教訓から内閣府が2018年に運用を始め、必要な機材を自治体へ貸与。導入に向け実証実験をしている。

 矢掛町は、内閣府の募集に手を挙げ、昨年度から県内で唯一参加。今年3月の小規模訓練を経て、今月21日、町役場と、避難所になる町内7小をつなぐ訓練を実施した。

 矢掛小(矢掛)体育館では、内閣府宇宙開発戦略推進事務局の職員2人が見守る中、矢掛公民館の田尻稔副館長が、人工衛星と避難所の「Q―ANPI」をつなぐための通信端末や管理パソコンを準備。避難者役として参加した地元の自治会長らと、スマートフォンの専用アプリなども活用し安否確認できた人の名前やけがの有無、周囲の状況や必要物資などの情報をとりまとめ、衛星経由で災害対策本部の役場に送信した。

 町は2026年度まで毎年、訓練を実施する計画。町総務防災課は「西日本豪雨の際、避難所との情報共有に苦労した経験から実証実験に参加した。今後も訓練を続け、町としてQ―ANPIを活用していきたい」としている。

(2021年07月29日 18時32分 更新)

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