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郷原漆器の魅力に迫る冊子発刊 真庭市教委、新発見資料も紹介

郷原漆器の魅力に写真で迫った冊子「蒜山・郷原塗の世界(図版編・資料編補遺)」
郷原漆器の魅力に写真で迫った冊子「蒜山・郷原塗の世界(図版編・資料編補遺)」
 真庭市教委は、「郷原塗(ごうばらぬり)」と呼ばれた蒜山発祥の郷原漆器の魅力に写真で迫る冊子「蒜山・郷原塗の世界」を発刊した。明治後期~昭和初期に製作された54点の特徴や用途を解説、新たに見つかった資料も紹介している。

 郷原漆器は、旧街道・大山道沿いの郷原集落(同市蒜山西茅部)で庶民向けに生産され、主に山陰地方で普及した。戦争や漆の不足などで絶えたが、住民らが復活させ、2006年に県重要無形民俗文化財に指定された。再興後は、ほんのり浮かせた木目を売りにしているが、かつての郷原塗は朱や黒の色漆を塗布。金箔で縁起物を描いたものもある。

 冊子は、19年に出した研究・資料編の姉妹版で図版編・資料編補遺とし、器種や用途など14項目に分けて解説。絵柄を描くスペースが広いため職人が腕を競った「梅椀(わん)」や「大平(おおひら)椀」からは描写の精緻さ、供え物を盛る「高坏(たかつき)」や「飯椀」は傷み具合から使い手の愛着ぶりが見てとれる。

 資料編補遺には、郷原塗を作り、収益を活動資金に充てていた地元青年団の記録や、漆器セットを安く購入するための講組織があったことを示す帳面といった新発見資料を盛り込んでいる。

 主著者の前原茂雄・蒜山郷土博物館長は「小さな山里が育んだ豊かな漆器文化をより深く知ってもらえれば」としている。同館(0867―66―4667)などで1冊千円で販売。郵送(要送料)にも応じる。

(2021年07月24日 19時47分 更新)

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