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その地名の読み方は?由来は? 岡山県南東部4カ所を巡ってみた

地名の由来が川の水にまつわるとの説もある備前市日生町の「寒河」
地名の由来が川の水にまつわるとの説もある備前市日生町の「寒河」
金勢大明神の参道入り口。子宝や下半身の病にご利益があるとされ、全国から参拝者が訪れるという=赤磐市西勢実
金勢大明神の参道入り口。子宝や下半身の病にご利益があるとされ、全国から参拝者が訪れるという=赤磐市西勢実
法然上人が生まれたとされる誕生寺。郷土の偉人を身近に感じた=久米南町里方
法然上人が生まれたとされる誕生寺。郷土の偉人を身近に感じた=久米南町里方

 地域の人なら当然のごとく読める地名も、ゆかりのない人にとっては難しくて読めない。地名に思いをめぐらせていると、その由来も気になり始めた―。知らぬ土地に足を運んだとき、そんな経験はないだろうか。岡山県内にも、調べてみたくなるスポットがいくつかある。県外出身の記者が、手始めに県南東部を中心に4カ所を巡ってみた。

 最初は、兵庫との県境に近い備前市日生町寒河(そうご)。字だけ見ると、寒々とした川にまつわる地域なのかと想像できる。出会った人にたずねると、「この地を流れる川の水が冷たかったから、その名が付いたのでは」という答えが返ってきた。県北ほどの川の冷たさはないと思うが、「やはり川が関係していたか…」。不思議と納得した。ただ、諸説あるという。寒河は南に瀬戸内海が広がり、北側は山が迫っている。訪れたのは6月23日の午前。雨あり、風あり、時に晴れ間あり、と安定せず、すっきりしなかった。天候も、地名に何らか結び付いているのだろうと勝手に思いながら、次の赤磐市へ。

 「赤磐市周匝(すさい)」。この地名をすらすら読める人はどれほどいるだろうか。県南出身の職場の先輩も最初は読めなかったそうだ。謎を解くヒントは地理にあった。同市最北端の旧吉井町地区で、中心部に位置する周匝の右端には、一級河川・吉井川が沿うように流れ、支流の吉野川とも合流する。市商工観光課の職員は、複数のいわれがあると前置きした上で、「川が間近にあり、水流が巡る土地ゆえに『周匝』なのかも」と教えてくれた。地図を広げると、中山間地にあって川の存在は際立つ。確かに、水に恵まれた土地だと一目で分かる。

 周匝から西へ車を走らせること約20分。同市西勢実には「金勢(こんせい)大明神」が鎮座する。字体からして、子宝や下半身の病にご利益がありそうだ。鳥の澄んだ声しか聞こえない奥深い山中で、パワースポットのような神々しさがある。お礼参りなのだろうか、生殖にまつわる供え物が数多く奉納されていた。私は最近、体の不調に悩まされており、全快を願って手を合わせた。

 最後は、久米南町里方の誕生寺(たんじょうじ)。「だれかが生まれた寺なのだろう」。そう思って境内の案内を見ると、浄土宗の開祖・法然上人の生誕地と書いてあった。なるほど、教科書に出てくる郷土の偉人は、ここから人生を歩み始めたのか―。毎年春の練供養では大勢の参拝者が集まり、根強い信仰がうかがえる。地元では当たり前の存在なのかもしれないが、私にとっては新鮮で、誇らしく感じた。

 今回は4カ所だけだったが、さまざまな見聞を深められた。次はどこを巡ろうか。興味は尽きない。

(2021年07月11日 06時45分 更新)

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