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たこ焼きで被災支援への恩返し 真備の藤井さん、車を店舗に営業

「支援への恩返しを」とたこ焼きを作る藤井さん
「支援への恩返しを」とたこ焼きを作る藤井さん
 2018年7月の西日本豪雨で甚大な被害を受けた倉敷市真備町地区を盛り上げようと、たこ焼きを作り続ける男性がいる。同町地区の藤井五男さん(86)。自身も被災し、災害ボランティアらの協力で自宅の修復を果たした。「生活再建の際に受けた支援への恩を、地元に貢献することで返したい」と、今日も店に立つ。

 藤井さんは笠岡市出身。30歳ごろから真備町地区に住居を構え、妻と子ども2人を育て上げた。西日本豪雨では、自宅は2階の床上まで浸水し、全壊と判定された。在宅避難しながら、被災から4カ月後の11月にリフォームを終えた。

 比較的早く再建できたのは、災害ボランティアの支援や全国から寄せられた義援金があったからという。住居だけでなく、撮りためた家族の写真もボランティア団体に洗浄してもらい、心身ともに救われた。

 「今度は自分が何かできないか」―。そんな気持ちで19年12月に始めたのが、たこ焼き店だった。飲食業の経験はないが、かつて親類のお好み焼き店を手伝った経験もあり、貯金を崩して店舗代わりの車や機材を購入。国道486号沿いの土地を借り、「がんばってます真備」と大書した自作の看板を掲げて開業した。

 「竹たこ本舗」と名付けた店のたこ焼きにはタコと一緒に同町特産のタケノコも入り、6個で150円。手頃な価格と藤井さんの親しみやすい人柄もあって地域住民が集まり、いまだ自宅再建ができない人の悩みを聞くこともあるという。

 営業は午前10時~午後6時で、休みは月曜のみ。現役世代並みに働く藤井さんは「復興にはまだ時間が掛かる。元には戻らないが、死ぬまでたこ焼きを作り続け、元気を与えたい」と意気込んでいる。

(2021年06月19日 18時09分 更新)

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