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りゅうぐうの岩石試料 有機物確認 岡山大惑星物質研、水素原子も

顕微鏡(左)でりゅうぐうの試料を調べる岡山大の研究者。モニター(手前)に試料が映し出されている=2日、同大惑星物質研究所
顕微鏡(左)でりゅうぐうの試料を調べる岡山大の研究者。モニター(手前)に試料が映し出されている=2日、同大惑星物質研究所
中村栄三特任教授
中村栄三特任教授
 岡山大の中村栄三特任教授(地球惑星物質化学)は17日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2」が小惑星りゅうぐうから持ち帰った岩石試料から、生命に欠かせない有機物と水をつくる水素原子が見つかったことを明らかにした。生命の起源の解明などにつながる可能性があるという。

 生命の材料となる有機物などは地球に衝突した小惑星からもたらされたとの説がある。りゅうぐうは46億年前に地球を含む太陽系ができたころの痕跡が残っているとされ、有機物や水が存在する可能性が指摘されていた。

 JAXAなどによると、りゅうぐうの岩石試料(計5・4グラム)のうち約0・5グラムを、今年5月末から国内の研究機関に順次引き渡している。中村特任教授らが分析を行う同大惑星物質研究所(鳥取県三朝町)には6月2日に届いた。

 試料分配に関する記者会見が17日、JAXA相模原キャンパス(相模原市)で開かれ、中村特任教授は高度な分析装置で調べた結果として「大量の有機物や水素を確認した」と述べた。りゅうぐうでは初という。有機物の具体的な種類などについては、今後の論文で明らかにするとした。

 会見後、山陽新聞社の取材に応じた中村特任教授は「一つ一つのデータに興奮している。研究を進めて生命や太陽系の成り立ちに迫りたい」と話した。

 はやぶさ2 世界で初めて小惑星イトカワから岩石を採取して地球に戻った探査機「はやぶさ」の後継機。2014年12月に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。18年6月、小惑星りゅうぐう(直径約900メートル)近くに到達し、19年2月と7月に2回着陸して石や砂を採取。20年12月にカプセルで地球へ届けた。現在は残った燃料で別の小惑星を観測する旅を続けている。

(2021年06月17日 21時03分 更新)

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