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ウイルス拡散 VRで疑似体験 岡山大大学院のグループ開発

VRゴーグルとコントローラーを使い、ソフトを体験する岡山大病院の医師(中央)=7日(五福教授提供)
VRゴーグルとコントローラーを使い、ソフトを体験する岡山大病院の医師(中央)=7日(五福教授提供)
VRソフトの一場面。患者のベッドに付着したウイルス(点で表現された部分)に消毒液を吹き掛ける様子
VRソフトの一場面。患者のベッドに付着したウイルス(点で表現された部分)に消毒液を吹き掛ける様子
 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、岡山大大学院ヘルスシステム統合科学研究科の五福明夫教授(システム工学)らの研究グループは27日、感染患者と接する医療従事者がウイルスを拡散してしまうリスクを疑似体験できるVR(仮想現実)ソフトを開発したと発表した。院内感染防止などへ活用するとしている。

 医療従事者とベッドに横たわる患者を3DCG(コンピューターグラフィックス)で再現しており、VRゴーグルを装着して利用する。ベッドの周囲や出入り口のドアノブなどに付着したウイルスは点で“見える化”し、コントローラーを操作すればVR内の医療従事者の手が動き、消毒液をスプレーで吹き掛けたり、布に含ませて拭いたりして取り除くことができる。

 ただ、ウイルスに直接触れてしまうと、手にもウイルスが表示されるようになり、感染を広げてしまうリスクを疑似体験できる。患者から排出されたばかりで感染力が強く、何度も拭かなければ取り除けないウイルスなども登場する。

 今後、ウイルスが付いた薬剤や書類の院内移送▽患者への点滴▽手術後の患部のガーゼ交換―といった拡散リスクのあるさまざまな場面も再現する計画で、岡山大病院(岡山市)の医療従事者をはじめ、市民らに対する感染拡大防止の教育・啓発につなげる。

 新型コロナの流行「第2波」に見舞われた昨夏に開発を始め、今年3月に完成した。今月7日には同大病院の医師らに試用してもらい、有効性を確認したという。

 五福教授は「目に見えないウイルスだからこそ、VR技術が役に立つ。多くの人にウイルスを拡散させない行動を学んでもらいたい」としている。

(2021年05月27日 20時01分 更新)

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