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目が不自由でも安心して経唱えて 点字版の経本、長泉寺住職が発案

長泉寺が導入した点字版の経本を手にする宮本住職
長泉寺が導入した点字版の経本を手にする宮本住職
 真言宗御室派の長泉寺(岡山市北区南方)が点字版の経本を導入した。視覚障害者が喪主の葬儀を執り行った同寺の宮本龍門住職(39)が発案。「目が不自由な人でも十分に供養できるよう広めたい」と普及を進めている。

 点字経本はB5判、17ページ。従来の縦書きではなく、点字の読み方に合わせて横書きにしたほか、弱視の人向けにはお経の活字を大きく記す工夫も施した。

 宮本住職は1、2月、家族を亡くした視覚障害者が喪主を務めた葬儀を行った。その際、お経が上げられずに悔いた様子の喪主を目の当たりにし、「視覚障害者もしっかり読経できるように」と思い立ったという。

 発展途上国の子どもの視力回復を支援するNPO法人・ヒカリカナタ基金(同大元上町)を通じ、点字出版などを手掛ける就労継続支援B型事業所「ワークランド虹」(同今)に作製を依頼。これまでに30冊が完成し、1月に同寺で家族の葬儀をした全盲の女性(61)=岡山市北区=は「供養の手立てができ、うれしい。寂しいときは仏壇に向かい、お経を唱えたい」と経本を手に喜ぶ。

 同事業所では県内の真言宗3カ寺の経本も作製中。宮本住職は今後、同宗派の総本山・仁和寺(京都市)に呼び掛け、全国約800カ寺での活用を促すほか、他宗派への利用拡大も目指しており「目が不自由でも安心して経を唱えられる人を増やしたい」と話している。経本は1冊千円。問い合わせはヒカリカナタ基金(086―242―3535)。

(2021年05月17日 20時30分 更新)

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