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ウイルスのコーティング技術開発 不活性化、就実大の山田講師ら

ウイルスのコーティング技術開発 不活性化、就実大の山田講師ら
山田陽一講師
山田陽一講師
 就実大(岡山市中区西川原)の山田陽一講師(微生物学)らの研究グループは、ウイルスを不活性化する薬剤を使った特殊なコーティング技術を開発した。物体を薬剤で覆うことで、感染者の飛沫(ひまつ)や接触を介して付着したウイルスがさらに広がっていくのを防ぐ狙いで、公共の手すりや椅子などへの活用を想定している。新型コロナウイルスへの効果も期待できるという。

 ウイルスは表面に脂質でできた膜を持つ「エンベロープ(膜の意味)ウイルス」と、持たない「ノンエンベロープウイルス」に大別される。今回対象としたのはエンベロープウイルスの方で、コロナウイルスやインフルエンザウイルスはこちらに含まれる。

 グループによると、物体にセラミックスの微粉末を吹き付けることで、直径数ナノメートル(ナノは10億分の1)の穴が無数に開いた状態の覆いを作り出し、その穴に「界面活性剤」を染み込ませて抗ウイルス効果を発揮させる―という仕組み。台所用洗剤に使われる界面活性剤は、アルコール消毒液などとともにエンベロープウイルスの膜を壊す働きをし、感染力を失わせることが知られている。

 コーティングを施した試験片にインフルエンザウイルスを含んだ液体を付着させ、2時間後に調べると、ウイルスの99%以上が不活性化しているのを確認した。10分間の超音波洗浄を行っても、薬剤は染み込んだままで、コーティングの耐久性や効果の持続性も期待されるという。

 山田講師は「関心のある企業の協力も得て、早期の実用化を目指したい。より効率的に薬剤を穴に補充する方法も研究し、さらに長期的に使える技術を確立できれば」としている。研究成果は4月、セラミックス技術を扱う専門誌に掲載された。

(2021年05月16日 19時38分 更新)

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