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「最古の電車」遍路休憩所に活用 高松のNPO、老朽化対策でCF

お遍路の休憩所として活用されている「20形23号」と笹尾さん
お遍路の休憩所として活用されている「20形23号」と笹尾さん
 日本最古の現役電車として親しまれた後、昨年9月に引退した高松琴平電気鉄道(ことでん)の車両「20形23号」が、高松市内のNPO法人の手で四国遍路の休憩所として活用されている。同法人は製造から100年近くを経た車体を保護するため、雨よけの屋根の建設を計画しており、資金をクラウドファンディング(CF)で募っている。

 計画しているのは、四国霊場札所の八栗寺(高松市)と志度寺(さぬき市)を結ぶ遍路道の途中にある高松市牟礼町大町で「お接待」に取り組むNPO法人「88(エイティエイト)」の笹尾正福代表(66)。一昨年6月に地域ニュースで車両の引退を知り、「郷土で愛された車両を保存しながら、お遍路さんの楽しい“癒やしの場”にしたい」と、ことでんに車両の活用を申し出た。同社との協議を重ねて譲渡を受け、昨年末から活用を開始した。

 車両は、1925(大正14)年に大阪鉄道(現近鉄南大阪線)でデビューし、61年にことでんに転籍。クリーム色と朱色に塗り分けられた直線的な外観が特徴で、車内は木製の床や柱、窓枠、天井部の鉄製扇風機が“大正ロマン”を感じさせる。現在も飲食や歓談用のテーブルを置いた以外は現役当時のままで、電灯や扇風機、車内放送用のマイクも使用できる。

 お遍路だけでなく、全国から鉄道ファンが見学に訪れるなど人気を呼んでいるが、屋外設置のため老朽化した車内は雨漏りが頻発。天井に防水テープを張って応急処置を施したものの、訪れた鉄道ファンから「このままでは車体が駄目になる危険性がある」と指摘され、CFを利用して屋根の建設を進めることにした。

 山陽新聞社や中国銀行などが運営する「晴れ!フレ!岡山」のサービスを使い、6月12日まで募る。目標額は400万円。返礼品に、車両が線刻された庵治石プレートや写真入りポストカードなどを用意している。

 詳細は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/58400)。

(2021年05月09日 22時12分 更新)

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