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コピーライターの糸井重里さん監…

 コピーライターの糸井重里さん監修の「言いまつがい」は、おかしみを含んだ間違いを集めた本である。特に面白いのは、新入社員の頃に言ってしまったことだ▼朝一番に取った電話に「いつもおはようございます」。初めて対応したお客さんの電話には、あまりの緊張で「おもちもちあげております」。仕事に慣れ始めてからは「少々お世話になっております」。電話を取ってつなぐのを繰り返すうちに「少々お待ちください」と「お世話になっております」がまざってしまったそうだ▼懸命さは伝わる。言い間違いは時に社会を潤すもの。自らの新人時代を懐かしく思い出す人もいよう▼今年も入社して1カ月が過ぎた。「マスク越しに精いっぱいの笑顔を」「一日も無駄にしない」。本紙地方経済面で先月読んだ抱負の数々に初心がよみがえった。その後、ミスもあったろう。この連休はリラックスして、笑って取り戻せる余裕ができるといい▼楽しい間違いをもう一つ。やはり社会人になり間もない頃、「マーケティング部」からの電話をこう取り次いだという。「まめ天狗(てんぐ)」からです―。字面だけを見るとぴんと来ないが、口に出すと納得できた▼「言いまつがい」は発音してみると妙に気持ちがいいと、糸井さんは記している。さまざまな気付きを与えてくれる若者を社会で見守りたい。

(2021年05月02日 08時02分 更新)

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