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参院広島再選挙 「政治とカネ」の改革競え

 参院広島選挙区の再選挙がスタートした。おととしの選挙を巡る大規模買収事件で河井案里前参院議員の有罪が確定し、当選が無効になったことに伴い実施される。「政治とカネ」の問題にどう向き合うのか。候補者の訴えとともに、有権者の判断にも注目が集まろう。

 再選挙に立候補しているのは、自民党新人で公明党が推薦する元経済産業省官僚と、諸派新人で立憲民主、国民民主、社民が推薦するフリーアナウンサー、無所属新人3人、NHK受信料を支払わない方法を教える党新人のあわせて6人だ。

 1議席をめぐる再選挙は、自民党新人と野党系の諸派新人を軸にした展開とみられるが、各候補には「政治とカネ」について、言葉だけの改革や与党批判だけではなく、カネがかからない選挙を実施するための具体的な方策について、中身のある議論を聞かせてもらいたい。

 今回の選挙のきっかけは、案里氏と夫で元法相の河井克行前衆院議員が、広島県内の首長や地方議員ら100人に総額約2900万円を渡したとして起訴された事件だ。有罪が確定した案里氏に続き、公判中の克行氏もこれまで続けた全面無罪の主張を撤回、買収の意図を認めている。夫婦は自民党を離党し、克行氏も議員を辞職している。

 一方、自民党本部は案里氏の陣営に1億5千万円という多額の選挙資金を提供した。克行氏は買収資金について、党から支給されたものではなく自らの手持ち資金だったと供述しているが、党の資金支援が買収のきっかけになった疑いは残っている。

 自民党幹部は離党した夫妻の事件と位置づけ「他山の石」と切り捨てた。人ごとのような態度で、党の責任についての説明を尽くしてはいない。金権選挙を撲滅するための対策について、国会での論戦も盛り上がらなかった。

 河井夫妻の事件だけでなく、安倍晋三前首相時代には「桜を見る会」前夜祭などを巡り政治姿勢を問われる出来事が続いた。昨年秋に発足した菅義偉政権でも、首相の長男がかかわる総務省への接待問題が明らかになった。鶏卵生産大手企業を巡る贈収賄事件で吉川貴盛元農相が在宅起訴されている。野党は前政権から続く体質に問題があるとして批判を強める構えだ。

 広島選挙区と同日程で、議員の死去に伴う参院長野選挙区補選も始まっている。吉川氏の議員辞職を受けた衆院北海道2区の補選も13日に告示される。三つの選挙はいずれも25日に投開票される。

 菅政権になって初の国政選挙だ。争点は「政治とカネ」をはじめ、感染防止の決め手を欠く新型コロナウイルス対策や、疲弊する地方経済へのてこ入れ策もある。与党が候補擁立を見送った北海道以外は与野党対決となる。今秋までに行われる衆院選と政権の前途を占う決戦となろう。

(2021年04月11日 08時00分 更新)

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