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葉桜の緑が陽光に輝き始めた。〈…

 葉桜の緑が陽光に輝き始めた。〈芽ぶかんとするしづけさの枝のさき〉長谷川素逝。間もなく、近くの山々の木々も一斉に若芽をいただき、鮮やかな新緑に変わる。植物の力強さを感じさせる春は人にも力を与えてくれる▼この新緑の木の芽は「このめ」と読み、サンショウの若芽は同じ文字でも「きのめ」と読むと俳句歳時記にはある。卓を彩る「木(き)の芽あえ」などは、春の味と香りを体に取り込む料理だ▼代表格はタケノコを使ったものだろう。ゆでて角切りにし、すった木の芽を混ぜたみそとあわせる。さわやかな香りと歯ごたえに食欲も増す。イカの角切りなどを加えると食感の違いも楽しめる▼「和の薬膳 食材手帖」(武鈴子著)によると、タケノコは食物繊維が多く腸を整える。難点は体を冷やすことで、体を温める効果がある木の芽で補えるそうだ。新型コロナウイルスと闘うための免疫力アップにも効果的だろう▼岡山県では倉敷市真備町地区がタケノコの産地として名高い。多くの被害を出した西日本豪雨から7月で丸3年になる。少しずつ町は復興し、今春もタケノコの収穫が始まっていると本紙に紹介されていた。食卓からもぜひ応援したい▼〈竹陰の筍(たけのこ)掘りはいつ消えし〉飴山實。タケノコはすぐに成長するから旬が短い。限られた期間を逃さず五感で春を確かめねば。

(2021年04月08日 08時00分 更新)

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