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【記者が行く】コロナ感染防止 二重マスクが効果的? 隙間なければ不織布1枚でも

【記者が行く】コロナ感染防止 二重マスクが効果的? 隙間なければ不織布1枚でも
 「新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、マスクは1枚よりも2枚重ねて着ける方が効果が大きいと聞きました。本当でしょうか」。こんな疑問が岡山市内の読者から寄せられた。あちこちで見掛ける二重マスク。実際の有効性はどうなのだろう。取材した。

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 まずは岡山市内で“二重マスク派”を探し、声を聞いてみることに。岡山駅前商店街で出くわした男性(86)は「外出するときは、必ず2枚重ねている」といい、この日は不織布マスクを二重にしていた。不織布製の上に布製をすることもあるそうで、「2枚の方が安心感がある」と説明してくれた。

 コロナ禍が長引くにつれ、目にする機会が多くなった二重マスク。河野太郎行政改革担当相や東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長、小池百合子東京都知事らが着用している姿を報道で見た読者も少なくないだろう。米国のバイデン大統領もマスクを二重に着けた場面が報じられていた。

 感染拡大防止の効果を期待してのほかにも理由はあるようだ。SNS(会員制交流サイト)には、おしゃれとして一般的なマスクの上に華やかな絵柄のものを重ねた写真が数多く投稿されている。かさかさした不織布製では摩擦や刺激で肌が荒れるとの理由から、柔らかな素材のマスクを下に着けるとする書き込みも目立つ。

 では、会話の際などに口から出る飛沫(ひまつ)の飛散抑止の観点からは、マスクが1枚か2枚かでどれほど効果が異なるのか。県感染症対策委員会委員も務める岡山大大学院の頼藤貴志教授(疫学・衛生学)に尋ねた。

 結論から言えば、マスクを二重にしたら効果も倍に―とはならないとのこと。

 頼藤教授によると、飛沫の飛散抑止で最も重要になるのは「マスクを顔にどれだけフィットさせるか」。鼻から顎までしっかり覆った上で、鼻の部分に当たるノーズワイヤを顔に押し付けるように曲げ、呼気の漏れがないようにする。布製やウレタン製よりも抑止効果の高い不織布製は「1枚でも十分効果がある」と教授。一方で「たとえマスクを2枚重ねたとしても、顔との間に隙間が生じていれば意味がない」と指摘する。

 実際、理化学研究所が3月に公表したスーパーコンピューター「富岳」のシミュレーション結果によると、隙間がある状態の不織布マスクにウレタンマスクを重ねても、密着させた不織布マスク1枚の場合と比べて抑止効果はわずかしか改善しなかった。

 おしゃれ目的や肌荒れ対策の二重マスクを含め、自分の顔のサイズに合ったものを隙間なく装着する―。感染「第4波」が懸念されている中だけに、正しいマスクの着け方をあらためて確認しておきたい。

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(2021年04月07日 05時00分 更新)

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