山陽新聞デジタル|さんデジ

ピンチ 円通寺の「良寛椿」救え 玉島の住民組織が再生に取り組む

花を咲かせた良寛椿=26日
花を咲かせた良寛椿=26日
覆土を軟らかくして肥料を与えるメンバー=1月31日
覆土を軟らかくして肥料を与えるメンバー=1月31日
 禅僧・良寛(1758~1831年)が植えたと伝えられ「良寛椿(つばき)」の通称で親しまれている円通寺(倉敷市玉島柏島)のシラタマツバキが、樹勢の衰えでピンチを迎えている。昨秋の専門家の調査で、地上部の生育状況が極めて悪く、両端の大きな枝も折れる危険性が高いことが判明。地元住民らでつくる「良寛椿の会」が、土壌改良を行うなど再生に取り組んでいる。

 良寛椿は、同寺本堂東側の覚樹庵跡にあり、高さ約7メートル、幹回り約1・7メートル。推定樹齢は200~250年とみられる。15年ほど前から徐々に衰弱し、花が咲かなくなったため、19年に地元有志が同会を立ち上げ、肥料を与えるなどの保全活動を開始。昨年3月には再び開花したが、現状を把握するため秋にNPO法人県樹木医会に調査を依頼した。

 調査結果によると、依然として生育状態は極めて劣悪で、葉が著しく小さいなど地上部の衰退度合いは「著しく不良」。両端の大枝の腐朽率も約70%と危険な状態で、一部の根が切れていることも分かった。

 「土の通気と透水性の改善」といった“処方箋”を受け取ったメンバーは、1月末に作業。土壌改良のため根元の周囲を掘り、覆土を軟らかくしたり、肥料を与えたりした。

 良寛椿は今年も3月中旬に咲き始めた。純白の花が訪れた人の目を楽しませているが、共同代表の家守修治さん(66)は「楽観できる状況にはない。まだまだ治療途中」と気を引き締める。

 同会は良寛椿の子孫を増やすため、挿し木で育てた苗木の育成にも取り組んでおり、昨春に30センチほどだった苗木は約50センチに成長。2月にはホームページも立ち上げ、名称を記した木柱を建てて4月4日に除幕式を予定するなど知名度向上にも取り組む。

 共同代表の安藤瑞子さん(77)は「専門家のアドバイスに沿って何とか樹勢を回復させ、後世に残していきたい」としている。

(2021年03月29日 18時00分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ