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「スーパーの従業員にとって、ま…

 「スーパーの従業員にとって、まだ食べられる品を捨てるのはとても罪悪感があるんですよ」。岡山、広島など瀬戸内6県に展開する食品スーパー・ハローズの担当者の言葉が印象的だった▼消費期限が迫るなどで廃棄商品は日々必ず出る。「もったいない」と、生活支援団体や福祉施設などに提供する仕組みをつくった。先に開かれた本紙主催の連続シンポジウム「SDGs地域課題を探る」の第1回で紹介された話だ▼引き取る団体に近隣の店舗へ商品を直接取りに来てもらうため、店側の負担は少なく、青果や豆腐、乳製品など日持ちのしない食品も提供できる。「みんなに喜んでもらえる」と、従業員のモチベーションも上がったという▼この仕組みの導入を同業のスーパーや食品メーカー、問屋などにも呼びかけ、提供の輪が広がっている。取り組みは、本年度の消費者庁食品ロス削減推進大賞に輝いた▼それでも提供できているのは廃棄する商品の一部にすぎない。「コロナ禍で困窮する人も多い。どんどん提供したい」と言うのだが、店舗に商品を取りに行ける人は限られる。必要な人に誰がどうやって届けるかが課題だ▼徳島県では、運送会社がボランティアでの配送に手を挙げたという。地域で連携して少しずつ力を出し合えば、もっと強い支え合いのネットワークができそうだ。

(2021年03月01日 08時00分 更新)

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