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真備・復興商店街 28日入居期限 自立した事業者の一方 退去の店も

西日本豪雨の被災事業者が一時的な営業スペースとして使い、28日に2年間の入居期限を迎える復興商店街
西日本豪雨の被災事業者が一時的な営業スペースとして使い、28日に2年間の入居期限を迎える復興商店街
 2018年7月の西日本豪雨の被災事業者向けに倉敷市が整備した仮設の復興商店街(同市真備町箭田)が、28日に入居期限を迎える。再建までの一時的な営業スペースとして19年3月に開設されてから丸2年。新たな営業場所を確保して自立した事業者がいる一方、再開のめどが立たないまま退去する店もある。

 仮設商店街は、11年3月の東日本大震災を機に導入され、市町村が独立行政法人・中小企業基盤整備機構から必要経費の助成を受けて設置する。入居する事業者は無償で利用でき、営業を続けながら早期再建を目指す。

 倉敷市は同機構から約5千万円の助成を受け、文化施設「マービーふれあいセンター」駐車場内に整備。平屋の5店舗が連なり、1店当たりのスペースは約40~50平方メートル。保険代理店、整骨院、エステティックサロン、薬店、酒類販売店の5事業者が利用してきた。

 このうち4店は昨年11月までに退去し、同町地区内にある元の場所などで営業を再開。経営者からは「被災から復興までの期間、店の経営をつなげることができて助かった」(保険代理店)、「当初は真備に人が戻るか不安があったので、営業を続けるか判断する期間がもらえた」(整骨院)など感謝の声が上がる。

 一方で、集客施設としての機能を果たさなかったというのは、多くの事業者の認識だ。計画段階では、飲食店や書店なども名乗りを挙げ、10店が集まる予定だったが、実際に応募したのは半分。業種がばらばらで連携が難しかったこともあり、集客用のイベントも開かれず、最後までにぎわう様子は見られなかった。

 「客は1日5、6人ほどで、商売にならなかった」と復興商店街で唯一営業を続けている酒類販売店「お酒本舗」の中原明社長(79)。3月以降も同町での事業継続を希望するが、店舗を新築するには資金が足りず、条件に合う賃貸物件も見つかっていない。退去後は当面、営業を休止し、店を閉じることも検討せざるを得ないという。

 商店街を設置した倉敷市商工課は「ほとんどの事業者が町内で再建でき、一定の効果はあった。被災して苦しい事業者はまだあり、今後も引き続きフォローしていきたい」とする。

(2021年02月23日 09時32分 更新)

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