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ワクチン集団接種25市町村予定 本紙調査 12市町医師めど立たず

国が医療従事者らを対象に実施しているワクチンの先行接種。市町村は4月以降に始まる住民接種を担う=18日、岡山労災病院
国が医療従事者らを対象に実施しているワクチンの先行接種。市町村は4月以降に始まる住民接種を担う=18日、岡山労災病院
ワクチン集団接種25市町村予定 本紙調査 12市町医師めど立たず
ワクチン集団接種25市町村予定 本紙調査 12市町医師めど立たず
 4月以降に市町村が実施する新型コロナウイルスワクチンの住民接種を巡り、岡山県内の27市町村中、25市町村が公共施設などで行う「集団接種」を予定し、このうち12市町は会場で予診や接種を担う医師や看護師の確保のめどが立っていないことが、山陽新聞社の調査で分かった。接種会場についても15市町が「調整中」としており、ワクチンの供給量や供給時期について国からの情報提供が乏しいことなどから、具体的な準備に踏み込めない状況がうかがえる。

 調査は16、17の両日、全27市町村の担当者に電話による聞き取りで行った。接種方法は、玉野、真庭市が地域の医療機関での「個別接種」、笠岡市と矢掛、勝央、奈義町は「集団接種」、岡山、倉敷市など残る21市町村は個別と集団の「併用」で準備を進めていると回答。県は住民接種について、個別接種を基本とし、足りない部分を集団接種で補完する方針を示しているが、併用を含めて集団接種を取り入れる自治体が大半を占めた。

 理由について、個別接種で行うとした真庭市は「市域が広く、公共交通機関を利用して集団接種会場に来てもらうのは難しい」と説明。これに対し集団接種と答えた笠岡市は「短期間でまとまった人数に対応するには集団接種が効率的」とした。併用の場合も、どちらに重点を置くかは自治体によって異なり、それぞれの実情に適した方法を模索している実態が浮かんだ。

 個別接種に対する医療機関の協力状況についても質問。併用を含めて個別を取り入れる23市町村のうち21市町村が「協力を得られる」「ある程度得られる」とした。一方、集団接種で「医師、看護師の確保にめどが立っていない」と答えた12市町からは「ワクチンの供給量が示されず、どれだけのスタッフが必要か分からない」(岡山市)など、態勢整備の前提となる供給量や供給時期の早期提示を国に求める声が上がった。

 また「県が県医師会を通じて調整しているため」(倉敷市、和気町など)として、状況を見守っている自治体も目立った。

 住民接種に関して、伊原木隆太知事は19日の県新型コロナ感染症対策本部会議で「市町村は経験したことがないビッグプロジェクトを短期間で準備、実施しなければならない。円滑に進むよう全力でバックアップしたい」と述べた。

 ワクチン接種は現在、国が安全性を調べるため全国の医療関係者らを対象に行っている。県が実施主体となるコロナ診療に関わる医療従事者らへの接種が3月中旬、市町村が行う高齢者や基礎疾患のある人への接種が4月1日以降に始まる見込み。その後、一般住民へと順次行われる。

(2021年02月20日 07時59分 更新)

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