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容量1.5倍 次世代電極素材開発 岡山大大学院の後藤准教授ら

後藤和馬准教授
後藤和馬准教授
 普及するリチウム電池の代替製品として期待される「ナトリウムイオン電池」の研究を手掛ける岡山大大学院の後藤和馬准教授(物理化学)らのグループは、電気を従来の素材よりも1・5倍多く蓄えられる電極素材を開発した。ナトリウムイオン電池の実用化に向け、最大の障壁となっている蓄電能力の不足を埋める成果という。

 ナトリウムイオン電池は、正極にナトリウム化合物を、負極に炭素材などを用いる。リチウムのようなレアメタル(希少金属)ではないナトリウムの資源量は豊富で、電池の製造コストを低く抑えられるメリットがある。一方、リチウム電池より蓄電能力が劣り、実用化に至っていない。

 グループは、負極の炭素材にある無数の穴に着目した。穴の大きさに比例して蓄電能力が高まることから、マグネシウム化合物、ブドウ糖を混ぜて加熱。薬剤でマグネシウムを取り除き、これまでの素材より60%ほど大きい直径約1・6ナノメートル(ナノは10億分の1)の穴を作り出すことに成功した。

 取り出せる電気量は1グラム当たり1時間478ミリアンペア。これまでの素材(300~350ミリアンペア)より大幅に性能がアップしたという。

 後藤准教授は「リチウム電池の負極材と遜色ない能力。対となる正極材の研究を進めれば、実用化にぐっと近づく」と話している。

 東京理科大などとの共同研究で、研究成果は国際学術誌電子版に掲載された。   

(2021年01月30日 10時23分 更新)

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