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岡山・建部「幸福橋」歩いてみた 流失、架け替え 幾度の試練に直面

流失、架け替えを経て昨年4月に通行できるようになった幸福橋
流失、架け替えを経て昨年4月に通行できるようになった幸福橋
地域の架け橋となっている幸福橋。右奥に見えるのは「たけべ八幡温泉」
地域の架け橋となっている幸福橋。右奥に見えるのは「たけべ八幡温泉」
 岡山市北端の北区建部町。ここに、川の増水で何度か流されるも、架け替えられ、今に至る橋があるという。いったい、どんな橋なのか―。現地をたずねてみた。

 名称は「幸福(しあわせ)橋」。町内を貫く旭川をまたいで、建部、福渡地区を結ぶ歩道橋だ。鉄骨一部木造で長さ約160メートル、幅約1・5メートル。床面にスギ板を貼った温もりあふれるデザインとなっている。

 同市中心部から国道53号を車で北上し1時間ほど。建部トンネル(長さ581メートル)を抜けると、すぐ左手に見えてくる。薄い水色の橋脚に白い手すり。一般的なコンクリート橋と比べ、ずいぶん華奢(きゃしゃ)な印象だ。

 そもそも、歩行者専用のため幅は狭く、人がすれ違えるほど。橋上にたたずむと、サラサラとしたせせらぎの音が心地よい。緑豊かな周囲の山々にも癒やされる。歩いていると、犬を連れた女性に出会った。

 「どんな橋なのですか」

 「建部と福渡の住民の生活道路ですね」

 間髪入れずに返事がくるあたり、地域に密着した橋だと実感する。「わたしは週に3、4回はここを通っています」とも教えてくれた。対岸には、たけべ八幡温泉があり、観光客が向かう橋としても定着している。国道53号側から車で同温泉に向かうには、少し離れた橋を遠回りしなければならない。

 さかのぼること30年以上前。幸福橋は1986年に「産声」を上げた。ただ、順調に歴史を刻んだわけではない。2002年には川の水量に耐えられるよう撤去し再整備。橋げたをこれまでより1・5メートル高くした。ところが、未曾有の被害を出した18年の西日本豪雨では橋の大部分が流されてしまった。それでも昨年4月に再建し、通行可能になった。

 幾度の試練に直面しつつも、乗り越え、粘り強く造り直されてきた幸福橋。これからも地域住民に親しまれる「架け橋」であり続ける。

(2021年01月24日 06時05分 更新)

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