山陽新聞デジタル|さんデジ

高齢受刑者向けの作業場整備 岡山刑務所、手すりなど設置

高齢者向けに整備された岡山刑務所の養護工場
高齢者向けに整備された岡山刑務所の養護工場
 岡山刑務所(岡山市北区牟佐)は、高齢の受刑者らが安全に刑務作業に従事できるよう「養護工場」を新たに整備した。刑期の長い受刑者が多い同刑務所では高齢化が進み、通常の作業場では転倒などする恐れがある人が増加。11カ所ある作業場の一つを改修し、手すりや背もたれ付きの椅子を設置するなど作業しやすい環境を整えた。

 岡山刑務所は、主に初犯で刑期10年以上の受刑者を収容。服役している428人(昨年11月末現在)のうち65歳以上は118人の27・6%で、2012年(17・9%)に比べ9・7ポイント増加。80代が19人、90代も1人おり、入浴などで介助が必要な受刑者もいる。

 こうした人たちは他の受刑者と同じ場所で作業に当たっていたが、他の受刑者が使う木工用の機械などがあってスペースが狭く、ぶつかったり、足をひっかけて転んだりする恐れがあった。椅子も背もたれのないものしかなかった。

 養護工場は鉄骨平屋(約750平方メートル)で、床は砂がまじった特殊な塗料を塗って滑りにくくし、柱にクッションとなるゴム製のカバーを当てた。壁やトイレには手すりを設置。椅子に座っての作業が難しい人向けに畳のスペースも作って座卓を置いている。

 11月から80代を中心に介助役の受刑者を含む17人が段ボールを梱包(こんぽう)用の箱に折る軽作業に当たっている。週1回、介護士に来てもらって運動機能を高める体操も行っており、「以前より作業に集中できるようになった」と受刑者(79)は言う。

 望月英也所長は「受刑者が自らの犯した罪と向き合い続ける上で刑務作業は必要で、そのための環境をできる限り整えたい」と話している。

(2021年01月23日 16時10分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ